現在位置:

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

ATM不正引き出し 山口組関係者関与か

福岡で防犯カメラに車

2016年06月20日 11時43分

ATM不正引き出し 山口組関係者関与か

 佐賀など全国17都府県のコンビニなどの現金自動預払機(ATM)約1700台から計18億円超が不正に引き出された事件で、被害が出た福岡県内のコンビニ付近の防犯カメラに、指定暴力団山口組系とみられる暴力団関係者の名義となっている車が写っていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、一連の事件の背景には暴力団が関係し、引き出された現金の一部が資金源になっている可能性もあるとみて、捜査当局が解明を進める。

 福岡県では5月15日、約120店のコンビニから、計約1億5千万円が引き出される被害が発生。このうち一部の店の近くにある防犯カメラが、暴力団関係者名義の車を記録しており、事件との関連を調べている。

 各地の警察への取材などによると、5月15日の早朝に首都圏を中心に17都府県のコンビニなどに置かれたセブン銀行やイーネット、ゆうちょ銀行のATMから、約18億6千万円が短時間に一斉に引き出された。

 使用された偽造カードには、南アフリカの銀行が発行したクレジットカード情報が入った磁気テープが貼られ、キャッシング機能を悪用。100人以上が関与したとみられ、窃盗容疑などで捜査している各警察は、現金を引き出した人物らを逮捕しているが、全容解明には至っていない。【共同】

■100人で18億円 2時間の早業

■7割首都圏、解明難航

 佐賀など全国17都府県のコンビニなどの現金自動預払機(ATM)約1700台から計18億円超が不正に引き出された事件では、現場で100人以上が関わったとみられる。被害の7割超は首都圏に集中し、日曜日の早朝わずか2時間の「鮮やかな手口」(捜査幹部)。各地の警察は引き出し役を逮捕するなど捜査を進めるが、全容解明は難航が予想され、金融機関も対応に頭を抱える。

●わずか3分 

 5月15日午前7時50分ごろ、東京都荒川区のセブン-イレブン。野球帽の男が白い無地の偽造クレジットカードを7回、ATMに挿入した。キャッシング機能で1回に引き出せる上限は10万円。男は計70万円を引き出し、慌てて立ち去る。その間わずか約3分。

 この日、17都府県のコンビニなど約1600カ所に設置されたセブン銀行やイーネット、ゆうちょ銀行のATM約1700台から一斉に約18億6千万円が引き出された。

 各地の警察への取材で、被害が首都圏に集中していたことも判明。最多は東京の約5億8千万円。神奈川の約4億2800万円、千葉の約2億円、埼玉の1億数千万円と続き、4都県で全体の7割超を占めた。

 同じ手口の犯行は昨年12月27日にもあり、被害は計約1億円に上った。この日も日曜日の早朝わずか3時間。ある警察幹部は「大きな声では言えないが、手口が見事だ」と舌を巻く。

 捜査当局は大がかりな国際犯罪グループが関わっているとみて、窃盗容疑などで捜査。5月に使われた偽造カードには、南アフリカのスタンダード銀行発行のクレジットカード情報が入った磁気テープが貼り付けられており、キャッシング機能が悪用された。

 5月の一斉引き出しでは白い無地のカードや「焼肉館」と書かれたカードが一部で押収された。

●暗中模索

 新潟県警は5~6月におれおれ詐欺事件で逮捕した男らの関係先から、ATMの操作方法が記された手書きのメモを押収。「カードを挿入後、言語を『日本語』に設定し『残高』を押す」などの引き出し手順や暗証番号が書かれていた。

 各警察は17日までに、引き出しに関わったとして計10人を逮捕し公表した。ただ、引き出し役は犯罪グループの末端。ある捜査関係者は、主犯格までたどる捜査を「暗中模索の状態」と明かす。

 事件で使われた磁気カードはICチップを埋め込んだICカードよりもセキュリティーが低いとされる。

 国内のカード業界は2020年までに、全てのカードをICカードに切り替えたい考えだが、国内発行のクレジットカード約2億5890万枚のうち、ICカードの割合は68・2%。達成できるかは不透明だ。

 今回多くの被害に遭ったセブン銀行は5月下旬、海外発行カードによる1回の引き出し限度額を10万円から5万円に引き下げた。「世界の磁気カードが早くICカードに切り替わり、安全な取引が進むことを望む」と同行担当者。利便性の確保とセキュリティーのはざまで苦慮している。【共同】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

記事アクセスランキング