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「1型糖尿病」研究費に5000万円助成、根治期待

佐賀県ふるさと納税が後押し

2016年04月06日 09時46分

 生活習慣と関係なく、血糖値を下げるインスリンを体内で作れなくなる「1型糖尿病」の根治に向けた先進的な研究を、佐賀県へのふるさと納税による寄付が大きく後押ししている。寄付金は初年度約1300万円、2年目の2015年度(2月現在)は8倍増の1億円を突破した。このうち5千万円を国立国際医療研究センター(東京)と福岡大学の共同研究に助成する。患者や家族を支えるNPO法人「日本IDDMネットワーク」(事務局・佐賀市)は支援の輪の広がりに感謝し、研究の前進に期待を寄せる。

 ふるさと納税の仕組みは、14年度から採用した。佐賀県のふるさと納税に寄付する際、使い道にNPO法人を指定すると、寄付額の95%をそこに配分する。1年目は約300万円が集まった。さらに県の協力を得てふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」で、ネット上で多数から資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施した。iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究支援として募集し、目標額通りの約1千万円が寄せられた。

 15年度は、1型糖尿病患者が失った膵臓(すいぞう)機能をバイオ技術で復活させる研究支援として目標額3千万円と2千万円で2度のCFに取り組み、それぞれ3千万円、4千万円が集まった。県に直接寄せられた約3千万円のふるさと納税と合わせ、今年2月までに1億700万円に達した。

 返礼品代など差し引いた残額の助成先は検討中。

 IDDMネットは05年、患者や家族からの寄付を原資に研究基金を設立した。200万円に達した段階で研究者や団体を公募し、研究費を助成している。これまでにiPS細胞を研究する京都大などに20件、計3千万円を援助した。

 1型糖尿病の患者は全国推計で7、8万人。IDDMネット事務局は、ふるさと納税の寄付者は約9割が患者や家族以外の第三者という。岩永幸三事務局長は「寄付者にとって支援の形が見える、ふるさと納税の活用効果は大きい。全国の患者や家族も感謝している。将来的な根治のきっかけとなる研究が前に進むよう啓発を続けたい」と話す。

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