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無駄? 働かないアリ、実は集団に必要

働き者疲れたら働き出す 北海道大院チーム発表

2016年02月17日 13時13分

無駄? 働かないアリ、実は集団に必要

 アリの集団は常に全ての個体が働くより、働かないアリがいた方が長く存続できることを、北海道大大学院農学研究院の長谷川英祐准教授の研究チームが突き止め16日、英科学誌電子版に発表した。働き者のアリが疲れて休んだ時、怠け者とみられていたアリが代わりに働くためという。【共同】

 長谷川准教授は「一見無駄な働かないアリも、集団の長期的存続には欠かせない。人間も含め、短期的効率を求めすぎると、組織が大きなダメージを受けることがある」と指摘している。

 長谷川准教授によると、アリやハチといった「社会性昆虫」の集団には、ほとんど働かない個体が常に2~3割存在する。短期的な生産効率を下げるため、自然界になぜ存在するのかが大きな謎だった。

 長谷川准教授らは、アリには卵にかびが生えないよう世話するなど「常に誰かがしないと全体が致命的なダメージを受ける仕事」があることに注目。働かないアリがいる集団といない集団を、コンピューターのシミュレーションで比較した。

 その結果、働かないアリがいる集団の方が、働き者が疲れた時でも卵の世話などの担い手を常に確保できるため、長く存続した。実際のアリの観察でも、働き者が疲れて休むと、怠け者が働きだすことを確認した。

 アリは「仕事への腰の軽さ」に個体差があり、腰の軽いアリから、順に働きだす傾向があるという。

 長谷川准教授は「組織運営に当たり、長期的存続の観点を含めて考えることの重要性が示された。会社で働かないと思われている人も、相対的に腰が重いだけで、ピンチとなれば活躍する可能性はある」と話している。

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