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吉野ケ里町肥前精神医療センター、依存症家族と克服へ

2015年05月09日 10時40分

九州では唯一の「依存症治療拠点機関」になった肥前精神医療センターのスタッフ。依存症者の家族を対象とした相談などに力を入れる=神埼郡吉野ヶ里町の同センター
九州では唯一の「依存症治療拠点機関」になった肥前精神医療センターのスタッフ。依存症者の家族を対象とした相談などに力を入れる=神埼郡吉野ヶ里町の同センター

■相談室や訓練プログラム 治療拠点指定、支援に力

 神埼郡吉野ケ里町の肥前精神医療センター(杠岳文院長)がアルコールや薬物、ギャンブルなどの「依存症治療拠点機関」の指定を受け、患者の家族支援に力を入れている。依存症は本人に病気の自覚がなく、受診や治療に結びつけるのが困難で、身近な家族があきらめたり、精神的に追い込まれているケースも少なくない。患者との日ごろの適切な接し方や、家庭内暴力を予防、回避する方法などを学ぶトレーニングで依存症の克服を目指す。

 同センターは昨年、厚労省のモデル事業で「依存症治療拠点機関」に九州で唯一指定を受け、3年間にわたって依存症の治療や回復支援に取り組む。依存症の克服には本人の治療だけでなく、家族へのサポートも不可欠で、本年度から専門の相談室を開設。週1回、医師やソーシャルワーカー、臨床心理士らが、本人にどう受診や治療を勧めたらいいかといった家族の悩みに対応する。

 さらに、家族が依存症に対する正しい知識や接し方を身に付ける訓練プログラム(全6回)も実施。例えば、ギャンブル依存症のためにできた借金を家族が返済することで、またギャンブルを続けさせる結果を招く「イネーブリング」(助力)をやめ、それに代わる有効な手だてを考えたり、家庭内暴力を予防、回避する方法などを月1回のペースで学ぶ。

 同センターをはじめ、全国5カ所の治療拠点機関の取り組みで得られた知見は、東京都と神奈川県にある「全国拠点機関」に集約され、依存症の回復プログラムや支援ガイドラインの開発に役立てられるという。

 同センターの武藤岳夫・依存症治療センター長(41)は「依存症治療にはこれまでも力を入れてきたが、受診につなげるまでのハードルが高かった。家族が『何をやっても無駄』と自暴自棄になる前に、依存症への正しい知識を持つことが、本人を変える近道になる」と話す。

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