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唐津に「早稲田佐賀中・高校」2010年開校
【写真】中高一貫となる早稲田佐賀中学校・高等学校(仮称)の開設が予定されている唐津東高跡地=唐津市東城内

 唐津市に設立が計画されている早稲田大学系列の中高一貫校について、早稲田大学(白井克彦総長)は6日、同大学への入学推薦枠を持つ「系属校」とする方針を決めた。推薦枠は生徒定員の上限50%、120人程度。校名は「早稲田佐賀中学校・高等学校」(仮称)で、大学とは別に設立される学校法人が運営する。開校場所は移転した唐津東高と近くの旧大成小跡地で、2010年4月の開校を目指す。

 中高一貫校の開設は「大隈記念教育財団設立発起人会」(代表・海老沢勝二元NHK会長)が計画を進めてきた。系属校化が大きな課題となっていたが、大学の方針決定で実現に向けて動き出す。

 計画では財団が学校法人「大隈記念早稲田佐賀学園」(仮称)を設立。1学年の定員は中学が120人、高校は中学からの内部進学者を含めて240人。早稲田大学への推薦枠は卒業生の50%で、中学からの入学者が卒業する開校6年後からは120人程度になる。

 同大学は系属校化を決めた理由として、創設者大隈重信が佐賀県出身、第2代学長天野為之が唐津市出身で、歴史的なつながりが深い▽予定地は海に面し、優れた自然環境にある▽福岡市から地下鉄・JRで約1時間の位置にあり、利便性が高い▽九州全域から生徒が集まるよう、寮の整備も検討されている―などの点を挙げている。

 同財団発起人会は今回の決定を受け、10日に財団理事になるメンバーが集まり、財団法人申請について最終確認を行う予定。学校法人の設立申請は来年春を目指す。

 資金については耐震化などの改修費や寮建設費として約40億円を見込んでいるが、発起人会理事の石田光義早大教授は「福岡県や佐賀県などの財界から協力を得るめどがついている。大隈侯のふるさとへの恩返しと思って準備してきたので、大学にも認められ、ほっとした。中国、韓国などアジアの留学生も積極的に受け入れたい」と述べた。

 系属校 大学の学校法人が直接運営する「付属校」と違い、運営自体は別の学校法人が行う学校。早稲田大学では現在、早稲田実業学校(初等、中等、高等部)、早稲田中学・高校、早稲田渋谷シンガポール校の3校がある。付属校は早稲田大学高等学院と同大本庄高等学院の2校があり原則として全員が早稲田大に進学するが、系属校は大学への推薦枠も各校によって違いがある。 



【写真】中高一貫となる早稲田佐賀中学校・高等学校(仮称)の開設が予定されている唐津東高跡地=唐津市東城内

 

唐津市歓迎 専門部署設置も 

 唐津市で開校を目指す中高一貫校に、早稲田大学が6日、系属校という“お墨付き”を与え、開校が大きく前進したことに唐津市民からは歓迎の声が広がった。計画浮上から具体的な姿が見えず、気をもんでいたこともあり、坂井俊之唐津市長は緊急記者会見し、「大変喜ばしい。自然環境豊かな唐津ならではの学園都市づくりに全力で取り組みたい」と、私学の雄の唐津進出を歓迎。9月にも庁内に専門部署を立ち上げることを明らかにした。

 唐津市に系属校の話が持ち込まれたのは2005年末。昨年1月、同市が学校予定地に決まったが、早稲田大の系属校になれるかが開校に向けた大きな関門とされてきた。

 市も後押しをしてきただけに、坂井市長は「本日、系属校化の知らせが大学より届いた。本当にうれしい」と顔を紅潮させ、「市の教育環境の向上と、地域の振興に大きく寄与する」「唐津では初めての私学で、唐津の歴史、文化、風土の中で素晴らしい教育効果を発揮できるよう応援したい」とまくしたてた。

 早稲田大学中高一貫校設置推進委員会を昨年11月に設立し、誘致活動を進めている唐津商工会議所の太田善久会頭は「唐津が誇る景観は優秀な人材をはぐくむ学園都市にふさわしい。大歓迎で、できる限りの支援をしたい」と笑顔を見せた。

 市民の間にも歓迎ムードが漂った。5歳の園児を持つ30代の母親は「自分の子が中学生になるころには、学校も唐津に根付いていると思う。私学で家計的には厳しいけど、できることなら挑戦させたいですね」と話した。

 ただ、中高一貫校の具体的な計画はまだ明らかにされず、唐津東高跡地や旧大成小を想定する学校予定地の「譲渡方法」などクリアすべき問題は少なくない。旧大成小について坂井市長は「(譲渡ではなく)貸与する形になるのでは」。市民が危惧(きぐ)する市の財政支援については「設置者が十分に対応されると思う」と否定した上で、「県や大学、設置者と十分に協議して、窓口をしっかりつくって全力でサポートする」と語気を強めた。

 

影響未知数、教育関係者に警戒と歓迎の声

 全国区の知名度を誇り、佐賀と縁深い「早稲田」の中高一貫校開設のニュースは、県内の教育界にも伝わり、計画の一端を知った関係者に大きなインパクトを与えた。競合校は「早稲田大への推薦枠50%は大きい。どれだけ影響が出るのか」と警戒感を強める一方、「県外からも生徒が集まり、良い刺激になる」との歓迎の声が聞かれた。

 県内の同じ私立進学校は、驚きを隠さなかった。弘学館中・高校(佐賀市)の山崎丈夫校長は「推薦枠%は保護者にとって大きな魅力のはず。県内には早稲田大のOBやゆかりの人も多い。無視できない存在になる」。東明館中・高校(基山町)の森太校長も「福岡市内から多く生徒が集まると予想されるが、学校の方針がまだ分からず影響は未知数。特色を打ち出してアピールするだけ」と話す。

 県教委の川崎俊広教育長は「福岡市に流出していた生徒の動きに影響が出るだけでなく、県外からも来るはず」と唐津地区初の私学開設の効果を期待。「どういう学校づくりをするのか見守りながら、協力できるところは協力して県のレベルアップにつなげたい」と語った。

 

2008年06月07日更新
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