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営業半世紀の万年筆修理店閉店へ
【写真】愛用のルーペや工具を使ってペン先を調整する芳昭さん=佐賀市水ケ江の江島万年筆店
 九州でも珍しい万年筆修理店として親しまれてきた佐賀市水ケ江の「江島万年筆店」が、この春で店をたたむことを決めた。昨年末、2代目店主の江島満さんが55歳の若さで急逝し、半世紀以上守り続けてきた「責任ある修理」が保てなくなったため。長年通い続けてきた利用者からは閉店を惜しむ声が上がっている。

 同店の創業は戦後間もない1951年。満さんの父芳昭さん(78)が自転車の行商でスタートし、63年県庁近くに店を構えた。「万年筆は仕事に欠かせない筆記具。進学、就職のお祝いとしても重宝がられた」と芳昭さん。会社勤めをしていた満さんが30年前に帰郷。ずっと家族経営で店をもり立ててきた。

 落下の衝撃で軸にひびが入った舶来品、ペン先が曲がった年代物…。店にはメーカーが修理をあきらめた万年筆も数多く持ち込まれた。10年前、芳昭さんが第一線を引いた後は、創業以来集めた部品を用い、満さんが修理品に新しい命を吹き込み続けてきた。

 もう一つのこだわりはその人にぴったりの書き味を再現すること。親指のつめを作業台とし、宝石研磨用のルーペで見つめながらペン先を微調整し、依頼者の筆圧や持ち方のくせに合った形に仕上げた。

 作家の故滝口康彦さん、故笹沢左保さんらが通い、古川康知事もその一人。「最初秘書さんがこられたが、自分で書いてもらわないと責任持てないと息子が伝え、ご本人に来店いただいたこともある」と芳昭さん。

 ボールペンなどが筆記具の中心となり、IT技術が普及する中、全国で修理店の閉店が続いている。店には北海道などからも依頼が舞い込む。

 「うちがやめると修理店は全国にもう10店もない。申し訳ない気持ちもあるが、家族で話し合って決めました」。ショーケースには世界各国の貴重な万年筆が並ぶ。特別セールをし、商品がある程度片付き次第、看板を下ろす。

【写真】愛用のルーペや工具を使ってペン先を調整する芳昭さん=佐賀市水ケ江の江島万年筆店
2008年03月22日更新
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