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武雄患者射殺事件冒陳要旨全文【その2】


【犯行現場の状況】
 犯行現場の篠田整形外科は、佐賀県武雄市内中心部に近く、幹線道路に面しており、周辺には住宅や店舗が多く存在するほか、付近の道路は小中学生の通学ルートであった。

 篠田整形外科は2階建てで、1階には診察室やリハビリ施設、待合室があり、2階には手術室のほか、大部屋を含む19の病室があった。

 また、1日当たりの通院患者は約400名で、待合室には、早朝から数多くの通院患者らがいた。

【殺害に至るまでの被害者の状況】
 被害者は、仕事の合間を見つけては子供たちとキャッチボールや釣りをし、子供たちの学校生活や家庭内での日常生活についても熱心に指導していたほか、武雄市の消防団に所属するなど地域へも貢献していた。

 また、被害者は、暴力団組織及びその関係者とは一切関係がなかった。

【暴力団関係者の入院、被害者と病室が入れ替わった経緯】
 篠田整形外科では、平成19年10月11日、九州誠道会永石組の関係者が入院して個室の3号室に入った。同人は、スナック等飲食店を経営する会社の役員を務め、病室には飲食店関係者など派手な身なりをした人物が数多く出入りしていた。

 10月中旬ころ、同人は部屋が比較的広い1号室への移動を求め、篠田整形外科は被害者に対し、病室の入れ替えを打診。被害者はこれを承諾し、同月23日、被害者と上記暴力団関係者の病室は入れ替わった。以後、被害者は、11月8日の本件当時まで3号室を使用。上記暴力団関係者は、1号室を使用した後、11月3日に退院した。

【殺害決意の経緯】
 今田被告は、平成19年8月に道仁会3代目会長松尾義久が殺害されると、その報復を企て、同月下旬ころ、本件犯行に使用した38口径回転弾倉式けん銃1丁を含むけん銃2丁と、それぞれのけん銃に適合する多数の実包を入手した。

 今田被告は、村上一家総長の殺害を意図したが、その所在等の具体的情報を得られなかった。同年10月ころ、今田被告は、「村上一家の企業舎弟」が佐賀県武雄市内の篠田整形外科の3号室に入院中であるとの情報を得た。

 今田被告は、その暴力団関係者を殺害しようと企て、事件当日同行した女性Aを連れて1回、松永組関係者を連れて深夜に1回、篠田整形外科の付近まで下見に行ったが、外観を眺めただけで、建物内に入らず、3号室などの病室は2階にあるだろうと推測するだけであった。今田被告は、その暴力団関係者の顔写真も入手しておらず、3号室に誰が入院しているかの確認もしなかった。

 さらに、今田被告は、その暴力団関係者が病室を変えたことについても情報を得ておらず、結局、本件殺人事件の当日まで2階3号室には、九州誠道会の暴力団関係者が入院していると思い込み、本件犯行に至った。

【使用けん銃と実包】
 犯行に使用されたけん銃は、トーラス社製の38口径回転弾倉式けん銃であり、弾倉には5発の弾丸を装てんできる構造になっていた(以下、「本件けん銃」という。)。本件けん銃は、撃鉄部分がないため、弾丸を装てんしたまま着衣内に隠し持っても、撃鉄が着衣内で引っ掛かって暴発するおそれがないけん銃であった。

 今田被告は、本件けん銃とともに、11発の適合実包を入手しており、本件前に1発を試射して、発射機能があることを確認した上、5発の弾丸を弾倉に装てんして、以後、持ち歩いていた。

 また、犯行時、被害者に向けて発射された弾丸は、いずれも米国オマーク社製の完全被甲弾(トータルメタルジャケット)であり、通常の弾丸よりも強い威力を有する弾丸であった。

冒頭陳述要旨その3へ
2008年03月18日更新

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