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今田被告、起訴事実認める 武雄患者射殺事件
【写真】武雄入院患者殺人事件の初公判で、佐賀地裁に入る今田文雄被告を乗せたと思われるワゴン車=17日午後 
 昨年11月、武雄市の病院で入院患者の男性を対立暴力団の関係者と間違えて射殺したとして、殺人罪などに問われた指定暴力団道仁会系組員、今田文雄被告(61)の初公判が17日、佐賀地裁(若宮利信裁判長)であり、今田被告は起訴事実をすべて認めた。

 これまでの調べで、被害者の建築板金業宮元洋さん=同市山内町、当時34歳=に暴力団とのつながりはなく、検察は起訴状で宮元さんが人違いで殺されたと指摘。今田被告は罪状認否で「間違いありません」と述べ、遺族に対し「殺してしまったことについては一言の弁解のしようもない。心からおわびします」と謝罪した。

 起訴状によると、今田被告は、対立する指定暴力団九州誠道会の関係者を殺害しようとし、昨年11月8日午前7時40分ごろ、武雄市の病院に侵入。2階個室に入院していた宮元さんを暴力団関係者と誤認して拳銃を発射、2発を命中させて殺害した。

【写真】武雄入院患者殺人事件の初公判で、佐賀地裁に入る今田文雄被告を乗せたと思われるワゴン車=17日午後 

人定あいまい、犯行経緯明らかに

 入院患者射殺事件の初公判で、今田被告は人違いで宮元洋さんを射殺したことを認めた。なぜ、一般市民を暴力団関係者と間違えたのか。検察は冒頭陳述で、今田被告が狙いを付けた対立組織の関係者の顔などを知らず、あいまいな情報をもとに殺害を計画し、犯行に及んだ経緯を明らかにした。

 今田被告は昨年8月、殺された道仁会3代目会長の報復を決意し、拳銃を入手。九州誠道会トップの村上一家総長を殺そうと計画。ところが居場所などの情報を得られず、10月ごろ「村上一家の企業舎弟」が武雄市の整形外科の3号室に入院中との情報を得たため、狙いを切り替えた。

 所属する松永組関係者らを連れて2度病院の下見をしたが、いずれも外観を眺めただけ。暴力団関係者の顔や実際3号室に入院している人物の名前も確認せず、犯行に及んだとしている。

 事件当日、今田被告は病室に踏み込むと、無言のまま宮元さんに拳銃で2発撃った。今田被告は「その人を見るのは初めてだったが、3号室の人に間違いないと思って撃った」と供述している。

 大きな悲鳴を上げ、ベッド下へ逃げ込もうとする宮元さんを、今田被告は腰をかがめてさらに2発発射。駆けつけてきた看護師に廊下で会うと「何か大きな音がしましたね」と言い、平然と病院を出たという。

「最も重い罪望む」 遺族が会見

【写真】初公判を終え、宮元洋さんの遺影を置いて会見する妻の篤紀さん=県庁
 武雄市の入院患者射殺事件で、被害者宮元洋さん=当時34歳=の妻篤紀さん(35)が17日、佐賀地裁の初公判を傍聴後、記者会見した。「初めて事件のことを詳しく聞いて、洋君は怖かっただろうなと思いました」。見知らぬ男に突然銃口を向けられた夫の恐怖を思い、涙ながらに語った。

 篤紀さんは、バッグに宮元さんの写真をしのばせ、家族と親類6人で傍聴した。公判中は気丈に前を向いていたが、検事が詳しい殺害状況を述べ、大型モニターに生前の宮元さんの写真が映し出されたときには、こらえ切れず涙をぬぐった。

 法廷で検事が述べた証言では「私の夫は暴力団抗争がなかったら死ななかった。同じような犠牲者を出さないためにも、最も重い罪を望んでいる」と今田被告の極刑を望んでいた篤紀さん。

 閉廷後、記者から「今田被告の謝罪を聞いた今も同じ気持ちか」と問われると「わたしの一番大切な人を殺したのだから、気持ちは変わらない」と述べ、謝罪内容についても「弁護士が準備したものと思うので、何とも思いません」。そう言い切った。

【写真】初公判を終え、宮元洋さんの遺影を置いて会見する妻の篤紀さん=県庁

 ■武雄市入院患者射殺事件

 昨年11月8日朝、武雄市朝日町の整形外科2階病室で、入院患者の同市山内町、建築板金業宮元洋さん=当時34歳=が男に拳銃で撃たれ、死亡した。男は拳銃を持ったまま車で逃走。県警は同月22日、指定暴力団道仁会系組員今田文雄被告(61)の逮捕状を取り、その3日後に福岡県警が福岡県内で別の発砲事件を起こした今田被告を現行犯逮捕。佐賀県警が12月16日、殺人容疑で再逮捕した。佐賀地検は1月7日、今田被告を起訴し、「宮元さんを対立暴力団の関係者と人違いして射殺した」と指摘した。

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2008年03月18日更新

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