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「現代の名工」に矢鋪さん 伝統的ろくろの第一人者

 工業技術や伝統工芸などの優れた技能者を表彰する「現代の名工」に、西松浦郡有田町の陶芸家矢鋪與左衛門さん(66)=本名・矢鋪秀治=が選ばれた。有田焼の伝統的ろくろ技法の高い技能と、後継者育成への貢献が評価された。

 

 矢鋪さんは熊本県立荒尾高卒業後、福岡県警に入った。妻悦子さん(63)は伊万里市出身。「自分は組織になじまない」と感じていたころ、鍋島の伝統を受け継ぐ伊万里焼を見て焼き物に心を奪われた。

 

 一念発起し、31歳で辞表を提出。名人、中村清六さん(故人)に弟子入りした。伸べべらを使う伝統的な内山ろくろ技法。弟子になっても手取り足取り教えてもらえるわけではなく、窯から帰宅後、中村さんの手つきを思い出しながら、夜な夜なろくろを引いた。

 

 「自分に才能があると思ったことは一度もない。ただ、よそを見る余裕がなかったので、ひたすらろくろを引いてきただけ」と振り返る。

 

 53歳で矢鋪與左衛門として独立。2年後にはろくろ職人として、佐賀県の初代マイスターに認定された。窯では現在8人の弟子が修行中。「人に教えてもらったことが『元本』。それに、独自の『利』を加えて次に伝えなさい」。中村さん独特の言い回しがいつも頭の隅にある。

 

 「作品ができるたびに欲求不満になる。知れば知るほど未熟さを思い知らされる。でも、焼き物は笑いが止まらんぐらい楽しかとです」と話す。

 

 「現代の名工」は厚生労働省が選出、県内では矢鋪さんが43人目になる。

2011年11月14日更新
伸べべらを使う内山ろくろ技法の第一人者として現代の名工に選ばれた矢鋪與左衛門さん=有田町の矢鋪與左衛門窯

伸べべらを使う内山ろくろ技法の第一人者として現代の名工に選ばれた矢鋪與左衛門さん=有田町の矢鋪與左衛門窯

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