唐津市と九大の共同エコ貯蔵施設完成
旧国鉄時代に建設が中止された呼子線のトンネルを活用し、唐津市と九大が共同研究を進めてきたエコ貯蔵施設が完成し13日、関係者に公開された。省エネ・省設備で温度と湿度を安定制御できる特性を生かし、手作りハム・ソーセージの低温熟成施設として生まれ変わった。コンピューターのサーバー保管など幅広い用途にもノウハウ活用が期待できるという。
共同研究は07年9月にスタート。同市浦の「鳩川トンネル」(全長73メートル、高さ5メートル、幅3・8メートル)に、断熱パネルで仕切った室温の異なる4つの空間を作り、温度や湿度の制御、食品貯蔵のための衛生管理の実証実験を進めてきた。
家庭用エアコンや熱交換ができる空気交換機を設置したほか、床にブルーシートと断熱材を敷くことで、温度と湿度の制御に成功。壁面を洗浄し、オゾンや殺菌灯で衛生環境を改善した。
こうしたノウハウを活用し、手作りハム・ソーセージの製造販売「唐津くん煙工房」(雪竹俊範社長)が、鉄道・運輸機構からトンネルを譲り受け、6月からハムやベーコンなど加熱加工用食肉の保管を始めた。
「冷蔵庫に比べ室温のブレがなく、電気料も6分の1程度に節減できる」(雪竹社長)という。今後は施設を拡大し生ハム熟成にも乗り出し、「トンネル熟成」のブランド確立を目指す。
施設の整備費用は約650万円。九大大学院の佐々木久郎教授は「屋外で同じ水準の施設を整備すれば、温度や湿度管理の面で高コストになる。トンネルの潜在的特性を生かすべき」と話す。
呼子線は1968年に唐津-呼子間で着工したが、82年に工事が凍結。トンネルは8カ所あり、4カ所は野菜の保管施設などに活用されている。3カ所は未利用で、市商工振興課は「希望する企業があればノウハウを提供したい」と話す。
【写真】建設中止となった呼子線の鳩川トンネルを活用したエコ貯蔵施設。地元の手作りハム加工会社が熟成施設として利用を開始した=唐津市浦
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