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武雄入院患者射殺事件、被告の無期懲役確定へ

 佐賀県武雄市の病院で2007年、入院中の板金業宮元洋さん=当時(34)=を対立する暴力団の関係者と間違えて射殺したとして、殺人罪などに問われた今田文雄被告(63)の上告に対し、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は10日までに、棄却する決定をした。

 

 懲役24年の一審佐賀地裁判決を破棄、無期懲役とした二審福岡高裁判決が確定する。決定は8日付。

 

 08年6月の一審判決は、遺族と示談が成立している点などを考慮し有期刑が相当としたが、昨年2月の二審判決は「遺族との示談は道仁会の代表者が使用者責任に基づき行ったもので、被告自ら賠償したものではない」と指摘、求刑通り無期懲役を言い渡した。

 

 判決によると、07年11月8日朝、当時、指定暴力団道仁会系組員だった今田被告は武雄市の整形外科病院に侵入。2階の病室に入院していた宮元さんを指定暴力団九州誠道会の関係者と間違えて拳銃で撃ち、2発を首や胸に命中させて殺害した。

 

「夫、ゆっくり眠れる」 被害者の妻、新たな一歩へ決意

 

 「洋君もこれでゆっくり眠れる」-。今田文雄被告の上告棄却決定が分かった10日、被害者の宮元洋さんの妻・篤紀さん(37)は穏やかな表情でそう語った。事件から2年4カ月。最愛の人を亡くした現実は変えられないが、判決確定という節目を機に、新たな一歩を踏み出す決意を見せた。

 篤紀さんは午後5時前、最高裁から電話で棄却決定を聞いた。昨年2月の福岡高裁判決から1年。無期懲役の結果が変わることはないと信じていたが、「長かった」という思いはある。

 何の落ち度もない夫の命を奪った今田被告には、ずっと怒りで対峙(たいじ)してきた。自ら法廷に立ち、極刑を訴えたが、「いまは『絶対死刑じゃないといけない』という気持ちはなくなっている」。3回忌が終わり、今年1月には「一つの区切り」として、新しく建立した墓に納骨した。

 長男は今春、中学へ進学し、小学5年の次男も最高学年になる。「私は洋君から家族の人生を預かっている。しっかり守り、これから先のことを考えたい」と篤紀さん。息子たちの背中をじっと見つめた。

2010年03月11日更新
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