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2018年度開業予定の九州新幹線長崎ルートで導入を目指しフリーゲージトレイン(FGT)の研究開発が続いている。車輪幅を変えることで、新幹線と在来線の両方走ることができる新技術を備えた車両で、目標だった最高時速270キロをクリアし、新幹線走行にめどはついた。ただ在来線のカーブを高速で走る技術は確立しておらず、耐久性の試験もこれからで、開業までに営業車両が完成するかは微妙な情勢だ。
「目標を達成しほっとしている」。九州新幹線で270キロの試験走行に成功した昨年12月24日。開発主体の鉄道・運輸機構の梅田雅司担当課長は、実験地の川内駅(鹿児島県)で安どの表情を浮かべた。1994年の研究開始から15年。07年末から2年かけた試験で、新幹線での高速走行と、在来線から新幹線レールに対応する車輪幅の切り替え技術にめどがついた。
残る難題が在来線のカーブ走行だ。現在の試験車両では遠心力による車両の重みでレールを痛めたり、脱線のリスクが高いためカーブで大きく減速せざるを得ない。
在来線の直線は時速130キロ走行が確認できたが、曲線では現在の「かもめ」「ソニック」と比べて時速10~30キロほど落ちる。運行を担うJR九州首脳は「在来線で特急より遅くなるようでは厳しい」と開発の行方を慎重に見つめる。
FGTはすでにスペインで実用化しているが、同国の在来線のレール幅は1668ミリで、日本の1067ミリより広い。レールが広いほど安定走行できるが、それが両国の開発の差となった。
鉄道・運輸機構は、在来線の課題を克服するために軽量化を図った改良台車の開発を進めているが、完成は今年秋ごろ。車輪軸の配置なども細かく変更するため、在来線だけでなく新幹線での速度や安全性の確認が再度必要になり、関係者は「試験走行は11年度まで必要」とみる。
その後、大学の研究者などで構成する国交省技術評価委員会から車両開発の承認が出れば、JR九州による営業車両の開発がようやく始まる。車体、車内のデザイン設計もここからだ。
ただ国内初の技術を取り入れた車両のため耐久性を確かめる必要があり、「在来線、新幹線とも何万キロも走らせなければならず、3~4年かけないと安全確認できない」とJR九州の唐池恒二社長。これらすべてを順調にクリアしても「ぎりぎりの日程」(同社長)となり、間に合わなければ現在の特急をベースにした車両による運行になる。
FGTは在来線から新幹線ネットワークへの乗り入れを可能にする〝夢の列車〟で、九州以外でも期待の声は大きい。昨年11月の行政刷新会議「事業仕分け」で開発費の予算は要求通り認められた。ただ「実現性のめどをつける」という意見がつけられており、開発への時間的な余裕はない。
【写真】九州新幹線長崎ルート導入を目指し、試験走行を繰り返すフリーゲージトレイン。車輪幅を変換する新技術を導入するため、開発に時間がかかっている=昨年12月24日、鹿児島県の川内駅
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