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ナノ粒子加熱で収縮 鄭佐大教授ら新発見

 佐賀大学理工学部と独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)、理化学研究所(理研)でつくる研究グループは、磁気を帯びる物質の一つ「酸化銅」の結晶がナノ(10億分の1)メートルサイズの極小粒子になると、熱による体積の膨張が通常と逆転し、大きく縮む現象を世界で初めて発見した。熱膨張を気にせず、磁気で動く超精密ナノマシンなどへの応用に道を開く新現象といい、19日付の英科学誌ネイチャーナノテクノロジー電子版で発表した。

 金属やガラスの「加熱すると伸び、冷却すると縮む」という基本性質とは逆の物理現象で、「負熱膨張」と呼ばれる。精密機械ではわずかな誤差も許されないため、熱膨張率ゼロの材料開発が盛んに進められている。負熱膨張の物質と別の物質を混ぜ合わせることによって、物質の大きさが熱で狂う現象を制御することが可能になるという。

 実験では、数の酸化銅の結晶を機械で砕き、磁性体ナノ粒子を抽出した。この構造を理研の大型放射光施設スプリング8(兵庫県)で、温度を変化させながら解析。マイナス100度以下の条件付きながら、温度が1度上がると、1万立方メートル当たり1.1立方メートル縮む負熱膨張率のデータを得た。これまで「記録的」とされてきたセラミックスの一種、タングステンジルコニウムの4倍の数値だった。

 今回の発見で将来的には、極限の環境でもひび割れしない超精密機械や電子部品の実現をはじめ、血管から入って治療をするようなマイクロマシンやナノマシンへの応用の可能性も出てくるという。研究グループをリードする鄭旭光佐賀大理工学部教授(45)=固体物理学=は、現象の完全解明を目指しながら、実用化を視野に「今回の現象は室温でも原理的には可能だと確信している。現在は、その物質を探している段階だ」と語る。

2008年10月24日更新

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