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小沢氏出馬表明 国民の意思と程遠い(8月27日付)

 国民の気持ちがどれほど分かっているのだろうか。民主党代表選に小沢一郎前幹事長が出馬を表明、鳩山由紀夫前首相も応援するという。「小鳩体制」は国民に支持されず、2人は3カ月前に身をひいたばかりだ。党内の数合わせで小沢氏が首相になるとしたら、国民の意思とかけ離れている。


 9月1日告示、14日に投開票される代表選は、再選を目指す菅直人首相と小沢氏の一騎打ちになる見通しだ。これが党代表を決めるだけの選挙なら、国民に影響はない。しかし、政権与党の代表は実質、首相となる立場である。国民の大半は小沢氏の復権を望んでいないのではないか。


 共同通信社が今月初旬に行った世論調査では、代表選で当選を望む人は菅首相が37%でトップ。前原誠司国交相が14%、岡田克也外相が7%、小沢氏は5%だった。国民世論と民主党議員の意識は大きくねじれいる、といわざるを得ない。


 一時は政界引退を表明していた鳩山氏は、軽井沢での研修会に約150人の国会議員を集め、小沢氏との連携と自らの影響力をアピール。みんなで「気合だ」の掛け声を連発している様子に、違和感を覚えた国民も多いはずだ。


 「菅首相も小沢氏も政策をぶつけ合って、その優劣で選べばいい」と小沢氏を支持する議員は言う。ほかの候補者であれば確かにその通りだが、小沢氏の場合、その前にクリアしなければならない問題を抱えている。


 小沢氏の資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件はまだ解決していない。4月に「起訴相当」と判断した第5検察審議会が、秋にも再び同じ議決をする可能性がある。総理が強制起訴され、刑事被告人となってもいいのか。


 鳩山氏も「政治とカネ」の問題ではけじめがついていない。母親から毎月1500万円の政治資金を提供されていたことを全く知らなかったという。贈与税の脱税分を納めたにしても、何に使ったかの説明が全くない。この2人が「小沢氏で危機を乗り切りたい」と言っても、国民に理解されるはずがない。


 確かに菅氏は参院選で「消費税増」を唱え、民主党の議席を減らした。危機的な国の財政再建のために消費税の議論をするのは政治家として責任ある態度であるが、批判されて簡単に消費税論議を引っ込めるようではリーダーとしての資質が疑われる。


 小沢氏支持グループは、昨年の衆院選マニフェストの実行を訴えている。しかし、マニフェストが実行できないのは財源が不足しているからだ。「財源はいくらでも出てくる」と具体的な財源を示さなかった小沢氏と鳩山氏こそ、反省すべきではないか。


 外交にしても、鳩山氏の普天間飛行場移設問題の迷走で、日米関係はギクシャクすることになった。小沢氏は民主党議員約140人を従えて訪中、胡錦濤国家主席と一人一人握手の記念撮影を行ったが、普天間問題にはほとんどかかわらなかった。こんな中国重視、米国軽視の外交を国民は望まないだろう。


 しかし、代表選に国民の声は届きにくい。代議士とは国民の意思を代表する人だ。しっかり国民の声に耳を澄ましてもらいたい。(園田 寛)

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