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GDP伸び鈍化 政府・日銀が動くときだ(8月18日付)

 今年4~6月期の実質国内総生産(GDP)はプラス成長を持続したものの、前期(1~3月期)に比べて拡大ペースが大きく鈍化した。一段の円高進行やエコカー補助金の打ち切りなど、先行きには懸念材料がめじろ押し。政府・日銀はマイナス成長に転落することがないよう、機動的かつ迅速な財政・金融政策を心掛けてもらいたい。


 内閣府の発表によると、4~6月期の実質GDPは年率換算で前期比0・4%増。前期は同4・4%増だったから、景気拡大に急ブレーキがかかった格好だ。


 なんとかプラス成長を維持できた最大の要因は、純輸出が前期比5・9%増と好調だったこと。しかし米国の成長鈍化懸念や、くすぶり続ける欧州連合(EU)の金融不安で、ドルやユーロに対して円高傾向が強まる。


 中国をはじめとする新興国の高成長も、主な輸出先である欧米諸国の景気が冷え込めば大きな打撃を受ける。輸出の先行きは欧米向け、新興国向けともに不透明感が高まっているといえる。


 自律的な成長の立役者となるべき個人消費は前期までは堅調だったのが、ほぼゼロ成長に低下した。内閣府発表の7月の消費動向調査では、消費者心理を表す消費者態度指数が7カ月ぶりに悪化した。株安や円高などで景気の先行きは不透明との見方が広まり、消費者は「暮らし向き」「収入の増え方」「耐久消費財の買い判断」のいずれにも厳しい判断を示した。家計は生活防衛のため、財布のひもを緩めそうにない。


 個人消費と並ぶ景気けん引役の民間設備投資は前期比0・5%増。ただ共同通信社が主要企業を対象に実施した景気アンケートでは、現状は拡大基調としながらも、約8割が先行きへの懸念を表明した。経営者は慎重姿勢を崩しておらず、エコカー補助金などの政策効果がはげ落ちる影響や円高がどこまで進むかを見極めようとしている。


 雇用状況は依然として厳しい。企業業績は製造業を中心に改善しているが、雇用の過剰感は依然根強いようで、6月の完全失業率は4カ月連続で悪化した。新卒者を中心とする若年層の雇用環境が依然として厳しいことが、失業率上昇の大きな要因とみられる。


 悪性デフレからの脱出も見通しは険しい。4~6月期の名目GDPは年率換算で前期比3・7%減。総合的な物価動向を示すGDPデフレーターが、前期のプラス0・3からマイナス1・0に転じた。全国消費者物価指数は6月時点で、前年同月比16カ月連続のマイナス。総務省は「今後も注視する必要がある」と慎重な見方を示す。


 景気は拡大基調を続けることができるのか、それとも縮小へと転落してしまうのか-。まさに正念場を迎えているといえそうだ。


 景気の減速が示されたことを受け、政府はエコ関連の消費刺激、新卒者の就職支援、急激な円高に苦しむ中小企業の資金繰り対策など追加経済対策の検討に入った。その場合、一時的な刺激に終わらせない工夫がいる。日銀は従来の景気回復シナリオを堅持する姿勢を示しているが、状況に応じて金融緩和など機動的な政策を検討する必要があるだろう。(横尾 章)

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