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| 放駒新理事長 明るい土俵取り戻せ(8月17日付) | |
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野球賭博などの不祥事で揺れる日本相撲協会の新理事長に放駒親方(元大関魁傑)が就任した。文部科学省は「外部の有識者がふさわしい」としていたが、力士出身の「まわし組」が数の力で押し切った。放駒理事長は外部の声にもよく耳を傾けて、安心して見られる明るい土俵を取り戻してもらいたい。 武蔵川前理事長は、外国人力士の大麻問題などで引責辞任した北の湖元理事長の後を継いだが、改革は順調に進まなかった。野球賭博事件では自分の弟子が関与していた責任を取り、名古屋場所を謹慎していた。 がんの手術を受けて体調が万全でない武蔵川前理事長は、一度辞意を示して撤回したが、1週間後には本当に辞任してしまった。このドタバタの裏には、外部からの理事長登用に対する相撲協会の危機感があったようだ。 こうした傾向は、賭博問題を調べる特別調査委員会の委員である望月浩一郎弁護士への対応にも現れた。相撲協会は10日午前中に、望月氏に「武蔵川理事長が復帰し、一区切りついたから」と契約解除をメールで通知し、その日の午後に幹部が電話で続投を要請している。 監督官庁の文科省は、暴力団との関係を断ち、組織の近代化が進むまでは外部有識者が組織を率いることが望ましいとの意向を示していた。既に理事長代行に就任していた元東京高検検事長の外部理事、村山弘義氏の理事長就任も十分考えられた。 まわし組にすれば「外部からの理事長に協会の運営は任せられない」ということだろう。理事長選で議決権のある理事は外部2に対し、力士出身が10。緊急理事会では放駒親方に対し、貴乃花理事が北の湖親方を推す意外な展開になったが、放駒親方が8票を獲得した。文科省の意向は絶対に尊重しなければならないものではない、と理事らは考えていたようだ。 放駒親方は、大関魁傑時代に負け越して陥落が決まっても「休場は負けと同じ」と主張し、千秋楽まで土俵に上がった。こうしたひたむきさやクリーンさ、正々堂々とした態度は力士の手本とされた。角界と反社会勢力とのつながりを断ち切るには、もってこいの人材だ。 問題は、古くからのしきたりの中で当たり前のようになっている付き合いや「ごっつぁん」体質を根本から変えることができるかだ。外部の声をよく聞いて、内部の甘えには断固たる姿勢で、改革を行ってほしい。 暴力団問題では、対策委員会を設置することが決まった。構成は内部と外部をほぼ同数とする、などバランスへの配慮もうかがえる。文科省だけでなく、警察庁、警視庁の支援も受け、水も漏らさぬ体制にするというからぜひ期待したい。 名古屋場所はNHKの生中継がなかったが、多くのファンが声援した。賜杯のない表彰式で涙を流した横綱白鵬に、天皇陛下から偉業をたたえる書簡が贈られたことも相撲界を元気づけた。 国技館の九月場所まで、もう1月を切った。改革は待ったなしだ。力士一人一人にも危機感は十分浸透しているはずだ。全員一丸となって国技である相撲を生まれ変わらせてもらいたい。 (園田 寛) |
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