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【29】国際ライダー 原田武人さん(11年10月30日)

もっとうまく、もっと速く

 

【29】国際ライダー 原田武人さん(34) 佐賀市

 

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 ◇ギアを1段上げる前の、限界まで上がっていく高回転のエンジン音と感触が最高に気持ちいいですね。走りのスタイルとしては、コーナリングのスムーズさで勝負。見た目の迫力よりも、コーナーを曲がる時や脱出する時にきれいで、なおかつ速い、というのが好きですね。

 

 ◆原田さんは日本のライダーの指標であるMFJ国際ライセンス保持者(国際規格のレースに出場する資格を持った国内登録のライダー)。全国から約60台が参戦している600㏄前後のバイクで競うST600国際クラスで、ランキング25位に位置する。

 

 ◇バイクとの出合いは、公道でのバイクレースに熱中する高校生を描いた漫画『バリバリ伝説』が流行していた16歳。早速、中型免許を取り、友人たちと三瀬峠を走っていました。19歳の時、車との接触事故で右足を骨折したのをきっかけに、公道よりも走りに専念できるサーキットのほうがいいなと。

 

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   ◆高校を卒業後、父親が経営する水道関連工事業の会社に入社。現場の管理や事務作業を担当し、週末を利用してバイクを駆る。

 

 ◇若者のバイク離れのためか、以前に比べればレーサー人口は減っているように感じますね。それ以外にも、自分くらいの年齢になると、家庭や会社などの事情で辞める人も多い。

 

 ◆その中でレースを続けるのは?

 

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  ◇何事も辞める理由を見つけるほうが簡単。趣味も全力で楽しむからこそ、仕事も一生懸命になれると思っています。

 

  ◆もっとうまく、もっと速く-。より上のレベルを目指そうと、2005年から国内クラスの公式レースに出場し始め、翌年の九州ロードレース選手権で優勝。国際ライセンスに昇格した07年、全国のレーサーと競い合う全日本ロードレース選手権への参戦を始めた。

 

 ◇愛車はカワサキのZX-6R。完成されすぎてて下手に設定を変えられないバイクもある中、カワサキは自分なりにカスタムできるところが魅力。足回りの調整一つとっても、頭を下げるかお尻を上げるかで、好みが反映されます。

 

 ◆活動にかかる出費の約80%は自費。特にタイヤ代が一番高く、1時間~1時間半走るとタイヤ1セット分を消耗。タイヤ代だけで年間150万~200万円かかるという。

 

 ◇スポンサーや知り合いのバイク店から物品面でサポートを受けており、とても助かっています。だから自分が楽しむだけではなく、応援してくれる人のためにも走り続けたい。やっぱり勝利で恩返ししたいですね。

 

 ◇原田さんはきょう30日、鈴鹿サーキット(三重県)で開催中の全日本ロードレース選手権の最終戦に初出場している。ST600クラスには全国から42台がエントリー。日本一をかけていま、スタートする。

 

【写真上】レース本番を前に、マシンの最終調整をする原田さん。エンジン部以外は自分で調整するという

 

【写真中】同レースで初優勝したときの原田さん(オートポリス提供)

 

【写真下】ピットクルーでもある福井孝弘さんのガレージで、バイク談義に花が咲く原田さんら3人

 

text 円田浩二

 

おまけ

【イメージトレーニング】

 技術の進歩で、レース用バイクの前部に取りつけられるようになった小型カメラ。このカメラの映像を「オンボード映像」といい、レーサーの視点が疑似体験できる。


 原田さんも鈴鹿サーキットでの初めてのレースを前に、コースの見取り図と他のレーサーがネットにアップしたオンボード映像を何度もチェックしている。原田さんは「地方を拠点にするレーサーにとって、走ったことがないコースのイメージトレーニングに最適」と話すが、迫力がありすぎて、普通の人が見たら酔うかもしれない…。

 

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