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| 【5】「“紙技”」(10年1月31日) | ||
経験と勘を頼りに【名尾地区・佐賀市大和町】
佐賀市大和町の山あいにある名尾地区。「ガッタン、ゴットン…」。夜が明けきらぬうちから和紙の原料となる梶(かじ)を打つ音が響く。昔は集落のあちこちから聞こえたが、今は1軒だけだ。
江戸・元禄年間に起源を持つ手漉(す)きの名尾和紙。清らかな地下水と、梶の繊維、トロロアオイから取る糊(のり)が主な原料で、その日の天候に応じて配合を変え、漉き舟で合わせる。「ジャ、ズジャ、ゴボゴボ」。力を込めて竹の棒で攪拌(かくはん)させると、手漉きの準備が整った。
地区に唯一残る工房の6代目、谷口祐次郎さん(44)は簀桁(すげた)をつかみ白濁した液の中へ。そして「ザブ、ザブ」と潮騒に似た音をたて前後左右に揺する。手に伝わる重みの違いで調合を整え、最良の1枚を漉き上げる。
水が冷たいほど紙が締まり、上質に仕上がるため、底冷えするこの時期が「和紙作りには最適」。長年培った経験と勘を頼りに“紙技”を引き継ぐ。
名尾地区の位置情報
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