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8月28日付
 日本中どこの道ばたでも見られる雑草オオバコ。踏みつけ過ぎると枯れてしまうが、逆に踏まれないと他の草に負けて絶えてしまう。オオバコは踏まれるから生き続けられるのだ◆生物生態学の第一人者、宮脇昭さん(82)は「オオバコには“命の掟[おきて]”が濃縮されている」と言う。佐賀市の「どんどんどんの森」の植え込みや有明海に面した「干潟よか公園」(東与賀町)の植樹を指導した宮脇さんの森づくりの持論は“競争と共存”。樹木や雑木の混植と密植で木々を競わせ、そうして結果として強い自然の森をつくるのだ◆人も動物も、草や木も、すべての生き物は、どこかで少し我慢を強いられるぐらいの環境がいい。人に踏まれないオオバコがいつしか絶えてしまうように、なんでも欲求が満たされるような快適条件は、むしろ「生存を脅かす危機」と考える方がいい◆生命の誕生以来、すべての生き物が何かに耐え、踏ん張って命をつないできたように、人間も我慢と共存が大事である。宮脇さんはそのことを“命の掟”と呼ぶのだが、昨今はほんの少しの我慢ができなくなっているような気がする◆兵庫県宝塚市で両親のしつけが「うざい」と自宅に火をつけ、両親ら3人を死傷させた中3女子とその同級生の初等少年院送致が決まった。東京では夏休みで帰省していた高1女子が「フリースクールに行きたくなかった。家族が死んでもいいと思った」と自宅に放火。両親にやけどを負わせ、逮捕された◆およそ40億年という“命の歴史”。この途方もないほどの時をつないでこられたのは、その時々に何かに耐えてきたからだ。それができなかったらとうの昔に生き物は滅びていた。厳しい環境の中でこそ育つ“命の掟”を考えよう。(賢)