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老い見つめ責任自覚 高齢ドライバー免許更新講習

75歳以上 認知機能検査が義務に

 

【写真】75歳以上のドライバーに義務付けられている講習予備検査。ペーパー形式で記憶力や時間の認識などが問われる=佐賀市新中町の佐賀城北自動車学校

 75歳以上のドライバーを対象に、昨年6月から、運転免許を更新する際、記憶力や判断力を測定する講習予備検査(認知機能検査)が義務付けられた。ドライバーとしての責任を自覚してもらうとともに、高齢者がかかわる交通死亡事故を減らす狙いだ。高齢者講習と認識機能検査の様子をのぞいた。

 佐賀市新中町の佐賀城北自動車学校。朝から高齢者講習に訪れた6人は全員75歳以上で、予備検査の対象者だった。「検査の結果、記憶力や判断力が低下していると判定されても、すぐに免許が取り消されることはありません」。同校の指導員がこう説明した後、予備検査が始まった。

 検査は30分ほどの簡単なもの。記憶力や時間の認識など、運転に必要な能力が判断される。すぐに判定が行われ、認知機能が低くなっている場合は「第1分類」、少し低くなっている場合は「第2分類」、問題がなかったら「第3分類」となる。

専門医の診断

 

 この日は参加者全員が第3分類だった。ほっとした様子の6人に対し、指導員は「第1、第2分類と判断された場合は、その後に信号無視などの交通違反を犯せば専門医の診断を受けなければならないケースもある」と説明した。

 予備検査が終わったら、次は通常の高齢者講習。機器を使って、動体視力や夜間視力を調べたり、模擬運転装置で反応の速さや正確さ、判断力をチェックした。78歳の自営業男性は反応の速さなどの数値が同年齢と比べ格段によかったが、「それでも若いときとは違う。夜間や雨の日の運転は避けており、これからもそうする」と高齢ドライバーの自覚を口にした。

 3時間の講習の最後は練習コースでの実地運転。運転者以外の人も後部座席に同乗し、他人の運転を観察することで、自分の運転を客観的に見つめ直した。

技術に個人差

 

 県警によると、県内で運転免許を持つ65歳以上の高齢者は約10万人(2月現在)。高齢者がより過失の重い第1当事者となる交通死亡事故は全体の約19%を占めた。さらに、今年は2月末までにすでに4件が発生し、全死亡事故の約36%に達している。


 一方で、昨年、自主的に運転免許を返納した高齢者は301人。県内では、小城市と杵藤地区のタクシー事業者11社が、返納者を対象に運賃の1割引サービスを実施しているものの、マイカーに代わる交通手段が乏しく、返納者の割合は伸び悩んでいるのが現状だ。

 実際に、この日参加した6人は「いまも毎日運転している。いますぐ免許返納は考えられない」と話した。妻と2人暮らしという82歳男性は「妻の通院の送り迎えなど、経済的な面から車が必要」。高齢化が加速するなか、決して高齢者を車社会から締め出すことはできないのが現実だ。

 運転技術には個人差があり、年齢でひとくくりにできない。しかし、高齢者といえどもハンドルを握る以上、社会的な責任は大きい。同校の大串勝廣技能課長は「加齢により反応や運動能力はどうしても鈍る。高齢者講習、検査を通して気付かなかった点を自覚し、安全意識を高めてほしい」と呼び掛けた。


【写真】75歳以上のドライバーに義務付けられている講習予備検査。ペーパー形式で記憶力や時間の認識などが問われる=佐賀市新中町の佐賀城北自動車学校

2010年03月15日更新