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「改正労基法」来月施行 有休の時間単位消化可能に

長時間労働 改善へ 「心の健康」対策も導入


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 長時間労働による過労死が社会的な問題になる中、労働時間の抑制を目指す「改正労働基準法」が来月、施行される。佐賀県は全国ワースト3位の”長時間労働県”。長引く景気の低迷で非正規労働者の数が削減され、正社員の労働時間が長期化する懸念も指摘されている。改正法の施行で何が変わるのか、改正のポイントとメンタルヘルスの取り組みを調べてみた。


 改正の主なポイントは3点あるが、県内の企業に最もかかわりが深い項目としては「年次有給休暇の時間単位の付与」が挙げられる。有給休暇は1日単位で取るのが原則だったが、最大5日までの有休を複数の日に分けて、時間単位で取得できるようになった。


 佐賀労働基準監督署の満田和弘次長は「有給休暇の消化が進んでいない実態があり、時間単位を認めることで、労働者が有給を取得しやすくする狙いがある」と話す。ただ導入には労使協定が必要だ。「使用者側が一方的に実施を決めても法的には認められない」と続ける。

 

県内は大半猶予


 さらに、月60時間を超える残業については、割増賃金率を50%以上に引き上げることを義務づけた。ただし、中小企業については「3年後に検討する」という猶予条項を設けた。県内企業は大半が猶予を受ける形だ。


 このほか、労使で協定を結んだ限度時間を超えて働く場合の割増率を「25%以上」に引き上げるようにする努力目標を盛り込んだ。


 県内の年間総実労働時間(2008年)は1940時間で、長崎、秋田に続いて全国で3番目に長い。逆に最も短いのは埼玉県(1720時間)で、200時間を超える差が生じている。

 

30代の負担増す


 加えて個人差も際立ち始めている。規制緩和で増えた非正規労働者は残業を前提とせず、正社員との労働時間の”二極化”が進んできた。総務省の「労働力調査」によると労働時間が週60時間以上の長時間に及ぶ労働者は10・0%。これに対し35時間未満のは26・1%だった。特に30代男性に限れば、週60時間以上が20・0%と、この世代に大きな負担がかかっている。


 一方、リーマンショック後の景気低迷で、今度は派遣切りや雇い止めの動きが広がり、正社員の仕事量がさらに増える懸念も高く、同局も「人が減り、長時間労働に拍車をかける可能性がある」と指摘する。


 時間外労働が月100時間に達すると一気に過労死の危険性が高まる。県内でも脳・心臓疾患を生じて労災申請したケースが08年は10件で、前年の1件から急増した。


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 改正法は残業代のコストを割高にすることで企業側に時短への真剣な取り組みを求めているが、メンタルヘルス対策の導入も重要だ。佐賀労働局は心の健康づくりのパンフレットを作成。佐賀産業保健推進センター(佐賀市)内に「メンタルヘルス対策支援センター」を設けるなど、職場のメンタルヘルス管理の個別相談などを受け付ける。


 センターでカウンセラーを務める佐賀大医学部の村久保雅孝准教授は「人によってストレスの感じ方は異なる。ある人の気分転換が、別の人には負担になることもある。オーダーメードで、その人に合ったストレス解消を見つけるのが大切」とアドバイスする。


 職場での対策としては▽ストレス・チェックリストを活用する▽普段の何気ないコミュニケーションを増やして気軽に話せる雰囲気を作る-などを挙げる。村久保准教授は「従業員に普段と違う点がないかに気配りを。ふさぎこむだけでなく、理由もなく、はしゃぐケースもある」と話している。


【写真】改正労基法の4月1日施行を知らせるポスター


【写真】職場のメンタルヘルス対策導入を呼びかけるパンフレット

2010年03月08日更新