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温泉水で家具塗装 化学物質過敏症に対応

松田木工(上峰町)など共同考案

 

 三養基郡上峰町の建具製造「松田木工」(松田直樹社長)と同町の家具デザイナー関光信也さん(63)が、温泉水で木材を”塗装”する方法を考案した。色づけに向く温泉水を探し出し、着色法の試行錯誤を重ねた。体にやさしく飲むこともできる温泉水を使うことで、化学物質過敏症(CS)に悩む人も使える建具や家具を提供する。

 

写真
 考案のきっかけは、塗装に使われる有機溶剤などの化学物質のため頭痛や吐き気、呼吸困難などを起こすCSへの対応だった。欧州の家具に使われる石けん水の塗料を福岡県工業技術センターと開発したこともある関光さんが、石けんより汚れが目立ちにくくなる色を出す素材として温泉水に着目。無害な塗料を探していた松田社長とともに研究を進めた。

 

 どのような温泉水が着色効果が高いかなどを研究したうえで、県内外の3カ所の温泉水を試し、福岡県にある温泉が適していることを発見した。スギを数分間漬け込むとベージュが渋い灰色に変わる。温泉水の成分は変化しやすく、作業時間などに工夫が必要といい、特許を出願している。

 

 既にテーブルなどの家具、ふすまなどの建具など9点を試作している。建具は中堅ハウスメーカーの注文住宅に採用される予定。「素(もと)シリーズ」と題し、昨年秋に大阪市であったインテリアの国際見本市にも出品し、商談も来ている。家具の価格は一般の製品並みに抑える予定だ。

 

 関光さんは「CSの方は古い家、ステンレスとガラスの家にしか住めないほど深刻な人もいる。”温泉塗装”で新しい木材を使った温かみのある家ができれば、住まいの選択肢が大きく広がるはず」と話す。

 

【写真】温泉水で着色したいすとテーブル(右)。無垢(むく)材と比べ灰色になっている。化学物質過敏症に対応する家具としてアピールする=三養基郡上峰町の松田木工

2010年01月12日更新