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| 福山雅治さんら 「容疑者Xの献身」語る | |||||||||||||
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福山 「目の前に現れたのは堤さんでなく、石神だった」 堤 「福山君の笑顔に乗せられた」
《あらすじ》高校数学教師の石神(堤)は、アパートの隣人で、好意を持っていた花岡靖子(松雪泰子)親子が、元夫につきまとわれ、殺害してしまったことを知る。石神はその論理的な思考力で、緻密な隠蔽工作を練ったため、警察は靖子にたどり着きながらも、捜査に難航する。知人の刑事、草薙(北村一輝)と内海(柴咲コウ)に捜査協力を依頼された湯川(福山)は、学生時代にお互いの力を認め合った親友である石神が事件に関与したことを確信し、苦悩する。 《インタビュー》 ―原作は人気作家東野圭吾の直木賞受賞作。映画は原作の世界観を忠実に再現しているよう感じたが、原作にどのようなスパイスを加えたのか。 西谷監督 原作の持つ力を、一番の頼りにした作品ではあるが、湯川と石神の二人だけの空間というか、台詞や台本にもない、時間というものをもっとも大切にした。具体的に言うと、湯川と石神の17年ぶりの再会。そして、クライマックスで対峙するシーン。再会するときは「湯川」「石神」という言葉があったけど、最後のシーンでは、そういう言葉を外し、台詞を言い出す前の間をつくってほしいと指示した。 福山 僕は西谷さんと仕事するのは、ドラマを含めると3作目。監督のものづくりの仕方を説明すると、ものすごく、ワンシーンごとに情報量があり、奥行きもある。お客さんが、監督の込めた思いや状況設定など全ての情報量全部を把握し、全てを受け止めなければならないということではないし、それはなかなか難しい。だけど、そのくらい、西谷さんは細部までにこだわっている。 時間軸的にも、映像的にも3次元的にも、深さというのがあるが、気持ちの部分の深さを丁寧に描いている。例えば、石神と湯川がいて、通常、このシーンは石神、または湯川の側面で描こうかなとか、どちらか寄りの表現になりがちだが、表裏一体の要素を入れている。表裏一体と言うか、表と裏の間にある、グラデーションの表現まで求められていると僕は理解していて、そういう情報量の込め方をしていると考えた。 だから、一見、淡々と進んでいるように見えるカットバック(異なる場面を交互に映し出す技法)も、石神や湯川、そして靖子らキャストの気持ちの交流がものすごく濃密なものになっていた。ワンシーン、ワンシーンの積み重ねが、この作品の濃度を深めたと思う。
ただ、原作に忠実な作品ではあるんですが、柴咲コウちゃんの役(内海刑事)は原作にはない役ですし、彼女のおかげで、もっとシンプルに、奥深く行けたんじゃないかと思う。そういう意味では、まったく小説と同じというわけではなく、監督、さすがだなと感じることができた。ある意味、原作を超えることができたとも自信を持っている。 それに、内海がいないと、石神役は塚地武雅君(ドランクドラゴン)を使った方が良かったんではと言われそうで(笑)。 ―撮影現場などで、印象深かったことは。 福山 映画というものに、自覚を持って出演するのは、今回が初めて。撮影中は、それなりに集中していたので感じなかったが、完成披露試写会の舞台あいさつで、柴咲さんや堤さん、松雪さんと並び、すごいキャリアの方たちと芝居をしていたのだとはたと我に返った。その時初めて、ぶるったというか、びびったというか、そういう気分だった。大変な現場だったんだなと。それぐらい、優れたパフォーマーの方と、一緒に仕事をしていたと、びびりながら実感しました。 堤 楽しい現場だった。僕個人のことを言わせてもらえば、石神の役作りのため、髪の毛をすいたり、抜いたりしたり。福山君ら共演者の方たちには、これは嘘だよと説明できたけど、エキストラ一人一人には説明できないじゃないですか。そうすると、そのひとたちが、「あっ」と。この人たち、家に帰ったら「堤さんはやっぱり・・・・・・」と言っているんでしょうが、もうしょうがないんで。記事でそういうところを書いていただけたら、エキストラの方も納得していただけるんで、よろしくお願いします(笑)。 ―理系の人間を演じてみてどうだったか。 福山 今年のノーベル賞で日本人4人が受賞されたが、一人一人のコメントを大変興味深く聞いた。ノーベル賞受賞より、自分の理論が正しいことが認められたことがうれしいと、まあどっちもうれしいじゃんと思うんですが、あえてそこを言うところに、理系のこだわりがあるんだなと。本当に湯川っぽい、石神っぽいと思った。この役を演じたからこそ、感じられた。 ■西谷監督 文系、理系という分け方はわからないんですが、天才というものは、どういうものか考えながら描いた。天才に共通するのは、処理能力の速さと思う。湯川は難問に対し、躊躇するとか、迷うということがないんだろうなと。堤さんには石神を演じるにあたり、処理能力の早さを、まったく見えないようにお芝居をしていただいた。 ―テレビドラマ、映画と1年間、ガリレオを演じた感想を。 福山 湯川学というキャラクターは、いそうでいない、いなそうでいる。テレビシリーズでは特にそうだったと思うが、キャラクターが立っている、漫画っぽいところがあった。僕はそういう役をこれまでやったことがなかたので、非常に楽しかったですね。たぶん、それは、男の子が戦隊ヒーローにあこがれるようなもの。湯川学という〝ヒーロー〟を演じきることができた。 はたまた、映画版では、そのヒーロー像とはやや違って、人間・湯川という新たな側面に光を当てた。それも、テレビ版でもともとの土台があったからできた〝変化〟だと思うし、映画をやることで湯川の精神面に光を当てることができた。二段構えで、役作り、キャラクターづくりができた。湯川という人間を、より奥行きのある形で、つくりあげることができたのは、自分にとって楽しかったですし、財産になったと思う。 ―共演して、お互いのことどう思ったか。
テレビシリーズからの映画化なので、もともとできあがたったお皿の上に違う素材が入ってくるようなことにもなりかねない。堤さん、どういう形で入ってくるのかなと思っていたが、一番最初に石神のアパートで再会するシーンで、遠くにいて、20メートルぐらい離れ、表情は分からなかったんですが、その全体のフォルムだったり、所作だったりで、石神がいるとリアルに感じた。とてもうれしかったし、にやっとするような感じだった。それが、フィルムにも撮っているんじゃないかなと思う。大変すばらしい、経験をさせていただいた。 堤 よくFMのラジオで福山さんの番組を聞く。本当に楽しい人だなと思っていた。一番最初にお会いしたのが、福山さんがガリレオ、僕がSPというドラマを隣のスタジオで撮影しており、そこのロビーでお会いした。そういうイメージを持っていたので、そこでいきなり、友達のように接してしまった。失礼なことをしたなと。それもきちんと受け止めてくれた。それは福山君もそうだし、コウちゃんも、北村君もそう。とてもうれしかった。あったかい人たちだという印象です。 芝居についていうと、この作品で一番難しいだろうなと思っていたのが、湯川が石神を訪ね、酒を酌み交わすシーン。お互いに本当に認め合った者同士が17年ぶりに再会したとき、しかも、「俺たち親友だ」みたいなことを交わさずに接していくところなんですが、本当に根っこがつながっていて、なんか、急に学生時代にふっと意識が戻るような感覚というのは、すごく難しいんですが、福山君は本当ににこっと笑って、こっちもにこっと笑っていた。 最初は、この芝居をどうしようと思っていたのが、福山君に乗っかかっていったら、自然とできた。そういうところで、二人の根っこがつなっがている部分が出せて、うれしかった。役者でも独りよがりの人は多いんですが、そういう人がいるんだなと思った。 もっと褒めとくと、コウちゃんに聞いたんですが、福山君はどういう人に接するときも態度が同じなんです。僕らだと、イラッとするときとかあるじゃないですが。そういう時、態度や空気で出してまうじゃないですか。福山君にはないんです。 ■西谷監督 福山さんとは5、6年前からご一緒させていただいている。ミュージシャン以外に、表現者、クリエーターとして尊敬している。 湯川というキャラクターをぶつける前まで、知っている限りでは、等身大、日常的なキャラクター多かった。だから、湯川という天才というか、変人、特化したキャラは役作りに時間かかるかなと思っていたが、意外に早く、スタイルができあがった。 やっている途中でわかったが、福山さんと湯川は、論理的思考とか、ストイックにモノを追求する姿とか、すごく共通する点がある。ちょっと変人なところも含めて。以前の役より、湯川の方が、等身大なのかなとも思った。その上で、映画は新たな一面を、描いていくことができ、それがすごく楽しかった。 一方、堤さんは一緒にお仕事するのは初めて。僕はいつも、絵作りとか、シーン1からラストカットまで、絵はすべて、自分の中で構築し、カット割りは全部頭の中でできてしまい、そこからぶれることはあまりないんですが、堤さんの芝居を見て、編集を変えた。 堤さん演じる石神は、本当にストーカーなのか、そういう振りをしているのか、推理力をすごくかきたてるもので、すごくミステリーとしての質も高められたと思う。お芝居を見て、もっとこうしたら面白いと感じさせる俳優さんでした。
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