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染色の鈴田照次氏、デザイナーとしての側面に焦点

多才さ示す衝立、緞通 県立美術館で

 

鈴田照次さんのデザイナーとしての側面に注目して作品を展示しているコーナー=県立美術館1号B展示室

 県立美術館が名品選・玉手箱のシリーズで「デザイナー鈴田照次」展を開いている。鍋島更紗(さらさ)を復元し、木版摺(ずり)更紗の技法を確立した染色家鈴田照次さん(鹿島市、1916~81年)の足跡のうち、工芸デザイナーとしての側面に焦点を当てている。展示は8点だけの小企画ながら、ユニークな作品がそろっている。


 鈴田さんは染色家として着物などの優品を数多く残した一方、「能古見人形」を創作。鍋島緞通(だんつう)のデザインや陶磁器の絵付け、室内装飾も手がけるなど多芸多才だった。展示では多才さの一端を示す作品8点を並べ、デザイナーとしての存在感を際立たせている。


 「ロウケツ染(ぞめ)衝立(ついたて)有明文」(52年)はムツゴロウやシャッパ、カニなどの生物を図案化して有明海の自然を表現し、衝立に仕立てた作品。第2回県展で発表されたという。「型絵染襖(ふすま)竹文」(58年)は、型絵染めでダイナミックに竹林を描写した。襖の磁器製引き手も鈴田さんが手がけている。


 鍋島緞通は72年にデザインし、後に「吉島敷物」が製作した2点を展示した。「松梅文」は松と梅を幾何学的に組み合わせた構図、「唐環文」は水草のような文様をいっぱいに配している。


 また、「型絵染壁掛 面浮立文」や「型絵染テーブルセンター 面浮立文」などは、佐賀の郷土芸能の面浮立がモチーフ。面をつけて舞う姿などが表現されており、鈴田さんが郷土に注いだ愛情も感じられる。


 ▽4月11日まで県立美術館1号B展示室で。月曜休館(ただし、3月22日は開館し、23日が休館)。観覧無料。

 

【写真】鈴田照次さんのデザイナーとしての側面に注目して作品を展示しているコーナー=県立美術館1号B展示室

2010年02月24日更新