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「昭和会展」最高賞・仁戸田さん、優秀賞・白石さんに聞く

 若手芸術家の登竜門とされる第45回昭和会展(日動画廊主催)で、ともに佐賀市在住で佐賀大学大学院1年の仁戸田典子さん(23)=唐津市出身=が最高賞「昭和会賞」を、白石恵里さん(23)=福岡県鞍手町出身=が優秀賞を受賞した。佐大で油彩画を教える小木曽誠講師も41回昭和会賞受賞者だが、県内からの受賞は初めて。しかも、佐大同級生のダブル受賞は快挙だ。大学に戻った2人に話を聞いた。


【写真】昭和会賞に選ばれた作品「十をめぐる旅」と仁戸田典子さん=東京・銀座の日動画廊
 -昭和会展は8月の1次選考で出品者が決まり、1月に別の新作で最終選考がある。出来はどうだったか。

 仁戸田 一貫して楽しみながら描けたが、1次よりも最終選考に向けての方が、のめり込むことができ、力を出し切った感じ。出品時点では満足できた。

 白石 「人と動物の反発と融合」というイメージで制作した。1次はまだアイデアが浮かんだばかりだったので、多くの課題があった。最終選考は課題をどう克服するかを考えて作り、1次の作品よりはましになったかなと思っていた。

 -受賞の知らせを聞いた時は、どんな気持ちだったか。

 仁戸田 一緒に上京する途中、羽田空港に着いたところでそれぞれの携帯電話に連絡があった。その時点で入賞はしたんだと思ったが、最高賞とは耳を疑った。本などで歴代受賞者を知っていたので、すごいことになったなあと思ったが、実感はわかず、レセプションなどが慌ただしく、佐賀に戻ってほっとした。中央の公募展への挑戦自体が初めてで、余韻に浸るというよりも、早速、次に向けて頑張らなきゃという思いが強い。

 -白石さんは日展や日彫展で入選を重ねていたが。

 白石 日展や日彫展は傾向が分かっているが、昭和会展は抽象彫刻もあるし素材も多様。傾向がつかめないまま楽しみも不安も、という気持ちで挑戦した。受賞の連絡にはびっくり。うれしかったけれど、どんなレベルの中で選ばれたのかが、気になった。早く会場を見たいと思った。

 -会場で自分の作品を見てどう感じたか。

 仁戸田 うれしい半面、今後が大事だと気合が入った。客観的に見ると課題も浮かんだ。会場には力がある人の作品が並んでいて、立体も平面作品も素晴らしく、こんな中で競っていたのかと驚いた。

【写真】優秀賞を受賞した作品「pulsation」と白石恵里さん=東京・銀座の日動画廊
 白石 大学の制作室とは壁の色や照明の光が異なり、制作中に気付かなかった欠点が見えたり、逆に良さを発見したり。彫刻作品はコンクリートや大理石など素材が多種多様だった。わたしの作品はFRP(繊維強化プラスチック)で、FRPの表現の弱さを感じさせられた。素材も考えなければと思った。

 -見つけた課題とは。

 仁戸田 今回はいつもより細部にまでこだわって描き込んだ。その辺りを評価していただいたと思うが、構図や見せ方をもっと考えて、自分のものにしていかなければと思っている。

 白石 例えば、人間の体を単に正確に再現するのではなく、どう見せたいのかを考えてシーンを構築しなければ、作品として不安定であったり、表現として弱い。内側から力が感じられる、意思を表現できるような作品を制作したい。

 -今後を考える上で、今回の受賞はどんな位置づけになるか。

 仁戸田 ちょうど大学院を出てからのことを考え始めた時期だった。今までは不安を感じていたが、受賞は一歩踏み出すための支えになる。テーマなどを固定するつもりはなく、「描きたい」という気持ちを生涯大事にしていきたい。受賞は大きなチャンス。積極的に取り組みたい。

 白石 日展と日彫展は人体を勉強する機会と決めて出品し、今回は「挑戦だ」と作りたいものを作って評価された。「勉強」と「作りたいもの」がなかなかつながらない状態だが、いつの日か両者が結びついた作品ができたら、と思う。

 ▽第45回昭和会展は8日まで東京・銀座の日動画廊本店で開かれた。

 

【写真上】昭和会賞に選ばれた作品「十をめぐる旅」と仁戸田典子さん=東京・銀座の日動画廊

 

【写真下】優秀賞を受賞した作品「pulsation」と白石恵里さん=東京・銀座の日動画廊

2010年02月15日更新