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元死刑囚の実像に迫る 鳥栖市出身・小川善照さん出版

小学館ノンフィクション優秀賞作を加筆

『我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人』を小学館から出版した鳥栖市出身の小川善照さん

 第15回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞したフリーライター小川善照さん(40)=鳥栖市出身=が、受賞作を加筆した『我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人』を出版した。2度の殺人の罪で死刑執行された男の生きざまをたどり、元死刑囚の実像に迫った。

 山地元死刑囚は16歳で母親を殺し、少年院を出た後に、再び大阪で面識のない若い姉妹を刺殺する事件を犯した。小川さんは偶然にも2つの事件を取材し、9年にわたり追跡した。元死刑囚の出生、悲惨な家庭、孤立した生活を浮き彫りにし、今年7月に25歳で死刑執行されるまでをノンフィクション・ノベルというスタイルでまとめた。2つの事件には元死刑囚が恋した女性の存在があったことを推論している。

 昨年の同賞受賞後、1年がかりで再編集した。小川さんは「死刑覚悟の事件も増え、死刑が必ずしも抑止力にならない。社会が生み出した病理。今の日本社会の問題が反映されている」と指摘する。今年始まった裁判員制度は無作為選出した有権者の裁判員が死刑を下すことも出てくる。「非常に難しいことを市民に課すことになる。裁判員制度を考える材料にしてほしい」と話す。

 本書の扉絵は、2000年の佐賀バスジャック事件で亡くなった塚本達子さんの長男、画家塚本猪一郎さんに依頼した。

 ▽小学館発行。B6判。336ページ。1890円。

【写真】『我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人』を小学館から出版した鳥栖市出身の小川善照さん


 

2009年12月17日更新