精神科編 児童・思春期の摂食障害
親がこころの支えとなって
本人としっかりと向き合い、根気よく支えていく
飽食の時代とあまり時を隔てずに摂食障害という病気が現れました。食べ物を受けつけなくなったり、逆に限度なく食べてしまったりする病気のことです。近年、この低年齢化が著しく、14歳以下の発症はこの30年で2倍に増えています。わが子が摂食障害になったら、親はどう接したらよいのでしょうか。医療法人唐虹会進藤病院では児童・思春期外来を開いて、子どもの心の病と向き合っています。児童・思春期精神科の専門医として30年以上にわたる豊富な経験を持ち、全国でも数少ない日本精神分析協会正会員である堤啓院長に話を聞きました。
摂食障害とはどんな病気ですか?
「拒食症」と呼ぶ神経性無食欲症、「過食症」と呼ぶ神経性大食症があります。それぞれ空腹感、満腹感がなく、どちらも肥満への強い恐怖を持っていて、両方を繰り返すこともあります。千人に一人の割合で発症し、若い女性に多くみられ、男性の発症頻度は全体の3.4~5%となっています。診断基準のBMI(BMI指数=現在の体重(・)÷身長(・)の2乗)が17.5以下の場合、拒食症の疑いがあります。治療が遅れると、症状が重くなりこじれてきます。身近な家族ができるだけ早く気づいて、専門家の適切な治療を受けることが大事です。
病気の背景にあるものを教えてください
1980年代から急増した疾患で飽食時代のひずみも社会的背景にあるようです。遺伝、体質、性別などの生理学的特性、心理的特性、自立などの人格発達上の問題、家庭環境、学校生活や受験といった社会的ストレスなどが影響しあって生じると考えられます。心理特性では完璧主義の人、自分に自信がない人が挙げられます。若い女性のダイエット志向を刺激し続ける社会の風潮も問題です。行き過ぎたダイエットが、摂食障害の最大の誘発因子となっています。発症は思春期の入り口である11歳ぐらいからみられ、ピークは14歳ぐらい。たいがい「手のかからない子だった」といわれる人に多く発症します。思春期になり、うまく自立できない、心の支えを感じられず、生きていることをつらく感じるようになります。認められていないという気持ちから、自分はだめな人間だと考えるようになるのです。
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