精神科編 パニック障害
症状理解し早めに対応を
薬と認知行動療法で回復
身体的に異常はないのに、ある日突然、激しい動悸(どうき)や息切れなどが襲い、「死」への恐怖感に包まれるパニック障害。百人に三人ぐらいの割合で発症するとされ、誰にでも起こり得る病気です。この病名が広く知られるようになったのは一九八〇年代から。まだ歴史が浅く、実態について詳しく知らない人も多いようです。どんなときに起きるのか、どんな治療をすればいいのか、周囲はどう対応をすればいいのか―。武雄市にある「松永メンタルクリニック」の松永昌宏院長に伺いました。
いきなり発作、死の恐怖感も
何の前触れもなく、いきなり動悸が打ったり、息苦しくなったり、胸に圧迫感があるといった症状が現れます。これらを「パニック発作」といい、苦しさはしばらくすると治まりますが、この時、「心臓や呼吸が止まって死ぬのではないか」という恐怖感が心に焼き付けられます。
その後も同じように発作があると、「また、発作が起きるのではないか」と不安におびえるようになります。この不安を「予期不安」といい、パニック発作と予期不安の繰り返しを「パニック障害」といいます。
予期不安が強くなると、発作が起こった場所や人が多い所などを避けるようになります。例えばスーパーで発作が起こった人は二度と行かなくなったり、電車に乗れなくなったりするもので、この状態を「広場恐怖症」といいます。
脳の過剰反応、薬物療法効果
パニック発作のときに救急車で運ばれるケースも多いのですが、検査しても心臓などに異常はみつかりません。内科、外科で異常がないと診断されても、本人からすれば「こんなに苦しいのに」「どこか悪いはず」と納得できないと思います。そんな場合はメンタルクリニックや精神科を受診してみてください。
発作を治め、不安を取り除くには、何よりもパニック障害の症状について知ってもらうことが大切です。当院も診察だけではなく、待合室にパニック障害についてまとめたマンガ本を置いたりして、分かりやすく説明するようにしています。
パニック発作は、脳内の青斑核(せいはんかく)から過剰にノルアドレナリンが分泌され、いわば、必要もないのに体が緊急警報を鳴らした状態になることです。このため薬物療法で発作をコントロールし、治めることができます。薬はうつ病でも使用されるSSRIや、不安を抑える精神安定剤を使用します。
発作が薬物療法で治ると予期不安は薄まりますが、さらに「認知行動療法」も行っています。「認知行動療法」とは、まず過剰に不安にならないように認知(考え方)を改めてもらえるようにします。そして具体的に、不安で出来なかった行動を少しずつ行動しやすいところから始め、徐々にハードルを上げていき、「大丈夫だ」という自信をつけて治っていく治療法です。
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「パニック障害」などについて分かりやすくまとめたマンガ本。 症状をより理解してもらおうと待合室に置いている。 |
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