脳神経外科・眼科編 目の異常が知らせる脳疾患
目は脳の出先機関
脳ドックと眼底検査で病を未然に防ごう
私たちは"目"でとらえた情報を脳に伝えて、はじめて"見る"ことができます。脳と目は密接な関係があり、脳の重大な病を目の異常で教えてくれる場合があるといいます。個人医院としては、全国的に珍しく脳神経外科と眼科が併設されたまえだ脳神経外科・眼科クリニックの脳神経外科医・前田健二院長と眼科医・前田友子副院長に目の異常が教える脳の病気についてお話を伺いしました。
目の異常シグナルを見過ごさない
目と脳は緻密に連携し合う1つのチームのようなもの。目から入った情報を視神経が脳に伝達し映像にして、初めて人は「見る」ことができます。この視神経が走っている場所に沿って脳に異常があると目にも異常が現れてきます。たとえば、偏頭痛の予兆として一時的に視野が欠けたり、物の周囲がキラキラして見えたり、頭痛で目の奥が痛くなったりします。皆さんにも似た経験はありませんか。脳の病気を早い段階で知らせてくれる目は「脳の出先機関」です。目の異常シグナルを見逃さず、脳の病気を疑ってください。
目の異常を感じたら脳の病気を疑え
脳の病気が隠されている目の異常には、両眼で見ると物が重なって見える(複視)、ある部分だけ物が見えにくい(視野欠損)、急な視力低下、一過性に見えなくなる、まぶたが下がってくるなどがあります。
具体的に、片目で物が重なって見えるのは乱視ですが、両眼でも二重に見える状態が急に起こってくるのは普通ではありません。糖尿病などで眼を動かす神経自体に障害が起こる場合や、眼の動きを支配する脳の領域に脳梗塞や脳出血・炎症を生じている場合、あるいは脳腫瘍などによる神経の圧迫症状などを鑑別する必要があります。
右目で見ても左目で見ても同じところが見えないという視野欠損が急に起きたら脳梗塞や脳出血を発症している可能性があります。両眼とも外側の視野が欠けるときには脳下垂体の腫瘍が疑われます。脳腫瘍による慢性的な頭蓋内圧亢進から徐々に視力が低下することもあります。
片方の目だけが急に見えなくなり、数秒から30分程度で回復する「一過性黒内障」、また両眼に一過性の視野欠損を生じる、「後大脳動脈領域の一過性脳虚血発作」など、いずれも脳梗塞の危険信号です。早急に精査、治療を開始する必要があります。
| 脳下垂体の近傍は 脳腫瘍の好発部位。 視野障害や複視で 見つかり、眼科から 脳外科へ紹介になる ものも多い。 |
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| 脳下垂体に発生した腫瘍が左側 方に浸潤し左目の運動障害を来た した症例。 |
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また、突然目の奥が痛くなって片方のまぶたが下がってくる、まぶたをあげると二重に見えるといった症状は、くも膜下出血の危険信号と考えたほうがいいでしょう。動眼神経のある場所は脳動脈瘤の好発の場所です。破裂する前に動脈瘤が大きくなって神経を圧迫し、あるいはわずかに出血して神経を刺激することで前述のような症状が現れます。危険ですから、すぐに病院へ向かってください。
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