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共に歩いたイバラの道(10年12月6日)
写真

今季最終戦に敗れ、肩を落とす松本監督

=栃木県グリーンスタジアム

 今季最終戦はアウエーの栃木県グリーンスタジアムで栃木SCに逆転負け。選手の引退式など相手の最終戦セレモニーに花を添える結果となり、サポーターとして悔しい終幕でした。


 試合後、ゴール裏にあいさつに来た選手たちはがっくりした様子で、首をひねりつつ下を向いたままの姿も…。ぼくらは励ましやねぎらいの言葉に代えてコールを送っただけでした。最終戦だから勝ち負けにかかわらず拍手を送ろうと思うけれど、負けた悔しさが先に立ってしまいます。


 今季は13勝12分け11敗。2006年から続く年間勝ち越し記録はかろうじて守ったけれど、アウエーでは負け越し、ホームでもドローが一番多く、鍵となる試合で結果を出せないなど、あと一歩が届かないシーズンでした。


 横浜FCの容赦ない引き抜き(考えただけで頭に血が上る!)に遭い、土台から造り直しになったとはいえ、J1昇格を信じていただけに残念な結果。今季、大幅に選手が入れ替わったチームは概して苦戦しています。3年くらいはほぼ一貫したメンバーで闘うのが理想です。


 この日、FW豊田が相手GKのミスキックを逃さず、落ち着いて先制したところまではよかった。その後は気持ちが守りに入ったのか押し込まれる時間が増え、元鳥栖のFW廣瀬に度々DF裏へ抜けられ、冷や冷やものでした。


 結果だけがついてこなかったのではなく、内容も悪かった今季の象徴的なゲーム。ただ、逆転された後の終盤はアグレッシブさを取り戻し、(オフサイドになったりしたけれど…)気迫と得点の形は見えていました。


 9位という結果は、今季で退任する松本監督の花道にならなかったものの、いつも全力を旨とする松本監督には悔いはないのかもしれません。「共に歩いたイバラの道は楽しかった」。そう思うサポーターがきっと多いことでしょう。


 「豊田のような選手をいつまでも応援したい」。最終戦前、仲間の1人はそう話していました。豊田へのサポーターの信頼は絶大です。それは単に得点だけではなく、ピッチに出入りする時に必ず一礼するなど、プロとしての姿勢に対する共感が含まれているようです。


 来季はまだ全体が見えないものの、チームの骨格はできたと感じています。サポーター数やクラブの運営費、選手の練習環境など課題は種々あるものの、スポンサーをはじめ鳥栖にかかわる誰もが熱い気持ちを持っているのは確か。それをもたらしたのが、この7年の「松本イズム」と言っていいのかも知れません。

略歴顔イラスト ■宇都宮 忠
佐賀新聞社鳥栖支社長。熱烈なサガン鳥栖サポーターで、念願かなって2007年4月、ホームタウンに赴任。ホーム戦では、記者席ではなく、ゴール裏のサポーター軍団の中で、50代とは思えない体力と気力で、90分間、オールスタンディングで応援する。

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