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 第89回全国高校野球選手権佐賀大会第11日は21日、佐賀郡久保田町のみどりの森県営球場で準々決勝4試合があり、鹿島実、鹿島、佐賀商、佐賀北が勝ち準決勝進出を決めた。鹿島実は4年ぶり、鹿島は34年ぶりの4強。大会3連覇を狙う佐賀商は3年連続、第3シード佐賀北は7年ぶりのベスト4となる。

 鹿島実は致遠館に5―1で勝ち、鹿島は鳥栖商を延長10回の末、5―1で破った。佐賀商は12安打の猛攻で敬徳に10―0の6回コールド勝ちを収めた。佐賀北は佐賀西を5―3で振り切った。

 22日は休養日。第12日は23日、同球場で鹿島実―鹿島(試合開始午前10時)、佐賀商―佐賀北(同午後零時半)の準決勝2試合がある。
2007年7月21日 準々決勝(4試合)

鹿島 5-1 鳥栖商  (みどりの森県営球場・第2試合)
 

10

鹿 島

鳥栖商

(延長10回)

【鹿島】
一ノ瀬-江頭

【鳥栖商】
鶴田-服部
▽三塁打 大久保(鹿)山田(鳥)
▽二塁打 江頭(鹿)服部(鳥)

延長10回打線爆発

写真
【鹿島―鳥栖商】鹿島10回表2死二塁、5番中島の右前適時打で二走松浦(左)が生還。3―1とリードを広げる=みどりの森県営球場

 鹿島打線が終盤に爆発。延長にもつれ込んだ熱戦にけりをつけた。

 1―1の10回表、この回先頭の大久保が中越え三塁打で出塁。1死後、松浦が中前に勝ち越し適時打をはじき返し2―1。さらに江頭の右越え2点適時二塁打などで3点を加えた。先発一ノ瀬は直球と変化球を低めに集め被安打5で完投。4回以降は三塁を踏ませない好投を見せた。

 鳥栖商は2回裏、服部と山田の連続長打で1点を先行したものの、以降は打線が不発。9回は先頭打者が出塁したものの、けん制死で勝ち越しの好機を逸した。

○ナイン一丸 エース援護

 快進撃を象徴するようなビッグイニングで、激闘にけりをつけた。1―1の延長10回表1死三塁。鹿島の3番松浦弘明は「最高のチャンス。積極的にいくことだけを考えた」。カウント1―2から真ん中に入ってきた直球を振り抜き、勝ち越しの走者を迎え入れた。

 勢いは止まらない。1死後、5番中島洋からの3連打で畳み掛け3点を加えた。3回戦までの3試合でチーム打率2割5厘だった打線が一気に目覚めた。「一ノ瀬(和哉)に恩返ししたかった」。2、3回戦と2試合連続完封のエースを援護しようと、一丸となったナイン。1973年以来、34年ぶりとなる「夏ベスト4」進出に、最高の笑顔を見せた。

 強打者・中村圭志らを擁しベスト8まで進んだ昨夏のような打力はない。山田和人監督は、新チーム結成後、「手を替え品を替えやってみたけど、なかなかうまくいかなくて」。この日は打線がつながったものの、連打、長打など多くは望めないだけに「とにかく1点を確実に」(山田監督)。証しともいえる犠打は4試合で15を数える。確率の低い打撃に頼らず、シンプルながらも少ないチャンスを生かそうという姿勢は徹底している。

 「ここまできたら、当然狙います」と松浦。ロースコアの展開には絶対の自信を持つナイン。「旋風」という言葉では片付けられない確かなチーム力が備わってきた。


鹿島実 5-1 致遠館 (みどりの森県営球場・第1試合)

 

鹿島実

致遠館

    

【鹿島実】 【致遠館】
山本-光武将 右近、杉町-福田

▽三塁打 山口(鹿)
▽二塁打 山口、家永(鹿)

鹿島実 快勝 手堅い攻め

写真
【鹿島実―致遠館】鹿島実3回表1死満塁、2番山口が左前適時打を放ち2―0と引き離す=みどりの森県営球場
 5点中3点に犠打を絡めるなど手堅い攻めをみせた鹿島実が致遠館を下した。

 初回、山口の三塁打と福江の右前打で1点を先制。3回には右前打の山本を佐藤が送り、山口の適時二塁打で1点を奪った。5回にも敵失を足がかりに山口、福江の安打と2四死球で2点を追加した。先発山本は緩急をつけた投球で的を絞らせなかった。

 致遠館は2回から4回まで先頭打者が安打で出塁したが、得点できなかったのが響いた。先発右近、2番手杉町は甘く入った球を痛打された。

○山口 鋭い振りで2打点

 「コンパクトなスイングを心掛けろ」。松尾真也監督が言い続けてきたことを選手たちが確実に実行し、鹿島実が4年ぶりのベスト4に駒を進めた。

 象徴的だったのが3安打で2打点を挙げた山口卓也の打撃だった。第2打席は内角直球を左前に、第3打席は外に逃げるスライダーを右前打。いずれも球に逆らわず鋭いスイングで運び、貴重な追加点を挙げた。

 監督就任から3カ月。前任の指導で守備の基本はできていた。「あとは打力をどうつけるかだった」と松尾監督。6月中旬から徹底的に振り込み、今大会4試合のチーム打率は3割を上回っている。

 「監督を信じて次も勝ちにいきます」と力を込めた西村勇真主将。チーム力とともに師弟のきずなも深まっている


佐賀北 5-3 佐賀西 (みどりの森県営球場・第4試合)

 

佐賀北

佐賀西

 

【佐賀北】 【佐賀西】
馬場、久保-市丸 中野-小屋町


▽三塁打 井手(北)


序盤のリードを佐賀北守り切る―佐賀西 追撃及ばず

写真
【佐賀北―佐賀西】佐賀西1回裏無死一塁。2番坪上のバントで二進を狙った一走・川越(右)は二塁で封殺。左は佐賀北の遊撃・井手=みどりの森県営球場

 佐賀北が序盤のリードを守りきった。1―0の3回表、2安打と敵失で無死満塁の好機をつくると、大串が右前にはじき返し二者を迎え入れた。さらに、馬場の左前適時打などで畳み掛け5―0。中盤以降は佐賀西に押され気味だっただけに、序盤に奪った大量リードは大きかった。

 先発馬場を5回途中から救援した久保が制球に苦しみながらも7三振を奪う力投で、佐賀西の反撃を断った。

 佐賀西は0―5の5回裏、川越、松原の適時打で2点差まで詰め寄った。6回は無死満塁、7回も無死一、二塁と攻め立てたが、あと一本が出なかった。

○佐賀西、好機生かせず

ノーシードから目指した「夏制覇」の夢は、ついえた。昨夏準優勝の佐賀西は、第3シード佐賀北に食い下がったが及ばなかった。「中盤からはうちの流れだった。勝ちたかった…」。主将の原侑希は声を振り絞った。

 主将の言葉通り、追いつける好機は何度もあった。3―5の6回裏、1死満塁。ベンチはここで3バントスクイズを敢行したものの失敗。7回も無死一、二塁の好機をつくり、前の打席で適時打を放っている3番松原理にカウント2―3から意表を突くバントを命じたが、ファウルで三振。後続も倒れた。

 内田努監督は「動いて相手に重圧をかけようと思ったけど…。生徒たちに悪いことをしてしまった」。勝負どころでちぐはぐさが目立った采配(さいはい)を悔やみながら「リードされても、あきらめずやってくれた」。照明灯のともったグラウンドでうつむくナインの肩をたたきねぎらった。


佐賀商 10-0 敬徳 (みどりの森県営球場・第3試合)
 

佐賀商

10
敬 徳

(6回コールド) 

【佐賀商】 【敬徳】

笠継、古賀昭-津田

河島、牧瀬-長崎


▽本塁打 津田(佐)
▽三塁打 片岡、樺島(佐)
▽二塁打 早田、野中信(佐)


佐賀商 12安打猛攻

写真
【佐賀商―敬徳】佐賀商3回表1死二塁、1点を追加され、0―2となったところでマウンドに集まる敬徳ナイン=みどりの森県営球場
 佐賀商が5本の長打を含む12安打の猛攻で敬徳にコールド勝ちした。

 2回、津田の左中間を越える本塁打で1点を先制すると、3回には飯田の左前打を皮切りに3連打で2点を追加。5回には2死一、三塁から3安打と敵失で5点を奪い突き放した。先発笠継はコーナーを丁寧に突く投球で5回までを2安打に抑える好投をみせた。

 敬徳は5回に無死一、二塁、6回にも2死三塁と反撃機をつくったが、佐賀商の継投にかわされた。先発河島は立ち上がり打者3人でしめたが、得意の直球が上ずり最後まで調子に乗れなかった。

○無念のコールド負け

 エース河島昌明、三塁手で4番牧瀬周太の投打の柱を中心に、佐賀商3連覇阻止に燃えた敬徳だったが、無念の6回コールド負けを喫した。

 好打者をそろえる伝統校相手に「内外角に投げ分けて的を絞らせない」と意気込んでマウンドに上がった河島。初回は打者3人でしめたものの2回、佐賀商の4番津田に内角に甘く入った直球を左中間スタンドに運ばれた。「もう点をやれない」。その力みから直球が高めに浮き、以降も失点を重ねた。

 牧瀬も力みからか打線を引っ張れない。6回2死二塁で迎えた第3打席は緩急をつけた投球にタイミングを外され空振りの三振。快音は聞かれなかった。

 ともに福岡県出身。甲子園出場の夢を佐賀に求め、チームを引っ張ってきた。河島と牧瀬は「仲間と野球に打ち込めた最高の3年間だった」と汗をぬぐった。

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