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 第89回全国高校野球選手権県大会第2日は10日、佐賀郡久保田町のみどりの森県営球場など2会場で1回戦4試合があった。7日の開幕日以来、雨で3日連続の順延となっていた大会は、ようやく熱戦の火ぶたが切られた。

 東明館は8―1で佐賀農に7回コールド勝ちし、1989年以来となる初戦突破を果たした。唐津商は三養基を3―0で破り、武雄は神埼清明の反撃を5―3で振り切った。昨夏8強の鹿島は佐賀工を4―1で下した。佐賀商―伊万里、伊万里商―唐津工は試合途中で雨が激しくなり、いずれもノーゲームとなった。

 第3日は11日、同球場などで佐賀商―伊万里など1回戦5試合、東明館―鹿島実の2回戦1試合の合わせて6試合がある。
2007年7月10日 1回戦(4試合)

佐賀農 8-1 東明館 (みどりの森県営球場・第1試合)
 

佐賀農

東明館

×

 (7回コールド)                        

【佐賀農】 【東明館】
小池、西田―松本 川西―稲葉


▽二塁打 黒岩、西田(佐)鹿毛(東)


東明館18年ぶり初戦突破―積極走塁 流れ呼ぶ

写真
【佐賀農―東明館】東明館5回裏、2死一、三塁、鹿毛が左越え2点適時二塁打を放ち、6―1とする=みどりの森県営球場

 東明館が相手ミスにつけ込み着実に加点。7回コールド勝ちを収めた。1回裏、1死一、三塁の好機に4番稲葉の右前適時打などで2点を先制した。2回は連続四球を足がかりに、相手の連係の乱れを突き無安打で1点を追加。試合の主導権を握った。4つの犠打をいずれも得点に結びつける堅実な攻めが奏功した。

 佐賀農は5失策と守備が乱れリズムを崩し、反撃も4回の1点にとどまった。

○古賀監督「先を狙う 姿勢 徹底」

 「17年分」の思いを込めた校歌が、みどりの森に響き渡った。東明館が大会初出場の1989年以来となる「夏1勝」を挙げた。「もう(夏は)勝てないかと思っていた…。感激です」。創部当初から指揮を執る古賀洋監督は万感の思いで言葉を紡いだ。

 積極的な走塁で「歓喜」を呼び込んだ。1点を先制した後の初回2死一、三塁。一走・鹿毛聖也が二盗を敢行。一、二塁間に挟まれるのを見計らって三走・田代和也が、鮮やかに本塁を陥れた。

 「打てるチームじゃないけど、先の塁を狙うことだけは徹底させている」と古賀監督。1勝にかける指揮官の思いを、ナインが見事に体現した。

 進学校ゆえ、練習は1時間半。だが、今年は男子ハンドボール部が佐賀総体出場を決め、ナインは大いに刺激を受けた。「制約」を言い訳にせず、たたきつける打撃やバント、走塁の精度向上に活路を求め、攻撃力を上げてきた。

 「何とか弱小のイメージを払しょくしたかった。苦労がちょっと報われた気がします」と緒方翔平主将。鉛色の空の下、ブルーのユニホームがまばゆい輝きを放った。


武雄 5―3 神埼清明 (佐賀ブルースタジアム・第1試合)
 

神埼清明

武 雄

×
【神埼清明】 【武雄】
吉田―牟田
久保田―石橋雅
▽二塁打 城野(神)石橋俊、山下(武)

武雄 序盤リード守る-神埼清明 追撃及ばず

写真
【神埼清明―武雄】武雄2回裏2死二塁、2番山下が左越え適時二塁打を放ち、4―0とリードを広げる=佐賀ブルースタジアム
 武雄が序盤に相手投手の立ち上がりを攻め、効果的に得点、粘る神埼清明を振り切った。武雄は1点リードの2回2死一塁から石橋俊、山下の二塁打などで3点を加え、主導権を握った。主戦久保田は緩急をつけた投球で的を絞らせなかった。

 神埼清明は4点を追う5回1死一塁から、城野の二塁打、大野の中前打で2点を挙げ反撃。8回にも1点を加えたが及ばなかった。

唐津商 3―0 三養基 (みどりの森県営球場・第2試合)
 

三養基

唐津商

×
【唐津商】 【三養基】
久保―久保田 谷口寛―太田 

唐津商 谷口寛が完封

写真
【唐津商―三養基】三養基打線を7安打に抑え、完封した唐津商のエース谷口寛=佐賀郡久保田町のみどりの森県営球場

 唐津商が少ない好機をものにした。1回裏、四球や暴投などで1死三塁とすると、3番谷口拓の当たりが敵失を誘い無安打で先制。8回も8番谷口寛の適時打などで2点を加えた。先発の谷口寛は直球やスライダー、タイミングを外すチェンジアップを駆使し三塁を踏ませない好投を見せた。

 三養基は相手を上回る7安打を放ったが無得点。出塁はほとんど二死からで、機動力を絡めた攻撃もできなかった。


鹿島 4―1 佐賀工 (佐賀ブルースタジアム・第2試合)
 
佐賀工

0 

0  0  0  1  0  0  0  0   
鹿 島

× 4

【佐賀工】
岸川、鶴-七島

【鹿島】
一ノ瀬-江頭
▽二塁打 池田(佐)江頭(鹿)

鹿島 4回に集中打-佐賀工 好機に1本出ず

 中盤の好機をものにした鹿島が佐賀工との接戦を制した。鹿島は4回、5本の長短打を集め、3点を先取。1点を返された直後の5回裏には1死一、三塁から、石永の右犠飛で1点を追加した。左腕一ノ瀬は7安打を浴びながら、要所を締めた。

 佐賀工は5回、岸川の右前打を皮切りに連打で1点を返した。以降も得点圏に度々走者を進めたが、あと1本が出なかった。

○自分の投球できた

 3点ビハインドの7回から救援した鶴勇治は3イニングを無安打。最後の“夏”で1勝こそ挙げられなかったが「自分のピッチングができた」と胸を張った。

 3回まで好投を続けていた2年生エース岸川武史が中盤、鹿島打線につかまる。4、5回に7安打を浴び、4失点。

 1週間前から大嶋剛監督に「抑えでいってもらう」と告げられ、心の準備はできていた。ベンチで肩を落とす岸川に「後は任せろ」と声をかけ、マウンドに上がった。威力ある速球をコーナーに散らし、三塁を踏ませなかった。

 大嶋監督の計らいもあり、昨秋から岸川に譲っていた背番号「1」を、この日は半年ぶりに背負ってのリリーフだった。敗戦の責任を感じ、目を腫らす後輩に「この借りは、お前が返してくれ」とバトンを託した。

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