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[論説] 徹底調査で信頼回復を (05年11月8日)
  佐賀市議選で投票者数より投票総数が13票多かった問題で、落選者らが異議を申し出た。市選管は「ミスはなかった」とする調査結果を示しているが、候補者でなくとも原因が分からないままでは納得できない。再調査で“謎の13票”を究明すべきだ。

 次点となった候補者は案分票があったため、わずか0.226票差で落選している。昨日、ほかの落選者らとともに市選挙管理委員会(牟田清敬委員長)に異議を申し出たが、当然の判断だろう。
 
 新市が発足したばかりの時期に混乱が長期化するのは好ましくないが、候補者個人が落選を受け入れて済む問題ではない。原因を明らかにしなければ、選挙に対する信頼が揺らいだままとなる。

■30日以内に結論

 佐賀市議選(10月23日実施)は開票の結果、投票者11万508人に対し、投票総数は11万521票あった。投票された用紙が13枚多いという不可解な事態となり、市選管は10日間かけて調査を行った。
 
 調べたのは投票用紙の残り枚数、投票所入場券(はがき)、選挙人名簿の投票済み点検数など。印刷した投票用紙の枚数や保管枚数も点検し、それらがすべて整合したという。13票はどこからきたのか、謎は深まった。

 選挙では、投票所に足を運びながら投票せずに用紙を持ち帰る人があり、投票者数より投票総数が少ないケースはしばしばある。しかし、今回のように13票も多いというのは極めて異例だ。

 調査した市選管は「選挙の執行管理にミスはなかった」として、選挙は有効とする見解を示している。その上で、13票については「偽造投票用紙が外部から持ち込まれた不正投票の可能性が高い」と指摘した。


■13票の謎解明を

 しかし、この結論では納得できない。明らかにしなければならないのは、なぜ13票多かったか、その原因である。抜け落ちている点はないか、偽造投票用紙が紛れていないかを含め、徹底的に検証するのは当然だろう。
 
 言うまでもなく、選挙は民主主義の根幹をなす。万が一、不正投票があったとすれば重大な犯罪である。疑問があるのに、あやふやなままでは選管の責任を果たしているとはいえない。その可能性について言及した以上、自ら積極的に解明しようとする姿勢が求められる。

 佐賀市は合併前の市議選で党派誤記があり、県選管は「選挙無効」と裁決。当選した議員が裁決取り下げを求めたが、福岡高裁、最高裁とも県選管を支持し、再選挙となった。再選挙は結果的に無投票だったが、今回の問題で多くの市民は「またか」という思いを抱いているだろう。

 全国的にみると、1955年の徳島市議選で選管職員による偽造投票などが判明し、一部投票所の投票が無効になった。51年の高松市議選では偽造投票が見つかったが、高松高裁は「当選無効の原因にはなり得るが、選挙無効とは言えない」とする決定を下している。

 再選挙になるか、ならないかはケースによって違うが、それ以前の問題として原因究明は不可欠である。このままでは選挙への不信感が増幅する。市民の疑問に答えるため、選管は全力を傾けて再調査にあたり、信頼を取り戻さねばならない。(大隈知彦)

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