気負わず、自然にエコロジー
実地編第12回
人類全体の課題である地球温暖化問題。その防止に向け、今や一人ひとりの実践が求められている。3年目を迎えた「エコライフ・エコライブさが」では、県内で開かれているさまざまな講座や教室の様子を紹介、「エコな暮らし」のヒントを提供する。
|
|
食品トレーも洗ってほしておき、ためておいて回収へ。「習慣にすれば苦になりません」と千恵美さん
|
暮らしの知恵で
食品乾燥剤を靴に再利用
「ほらチーちゃん、パパの靴にこれを入れて」―。土曜日の朝。佐賀市の会社員高尾千造(ゆきなり)さんは、1歳の長女千優(ちひろ)ちゃんと靴の乾燥作業をした。といっても食品に入っていた乾燥剤を靴に詰めるだけ。知恵を働かせた、身近なものの再利用だ。
夫婦と幼い子ども2人の高尾さん一家。買い物の際のマイバッグ利用から牛乳パックや食品トレーの回収、風呂の残り湯を使った洗濯、「緑のカーテン」による冷房抑制と、生活のさまざまな場面で「ちょっとしたエコ」に取り組む。
きっかけは3年ほど前、妻の千恵美さんが、買い物に行った大型店でペットボトルのふたの回収を呼びかける掲示を見たことだった。開発途上国の子どもたちのワクチン代になると知り、「役に立てるなら」と分別を始めた。ちょうど長男千翼(ゆきひろ)君が生まれたばかり。外国の子どもたちのことも気にかかった。
|
食品の乾燥剤を靴の乾燥と消臭に再利用するのは千造さんのアイデア
|
習慣づければ苦にならず
以来、廃油のリサイクルを呼びかけるチラシなど、スーパーなどでエコのヒントを見かけると、「やってみよう」と実行。いつの間にか取り組みは増え、今では8つの「エコ」を実践する。
主婦仲間から「よくやっているね~」と、感心されることもあるという。だが、千恵美さんは「普通のこと」と気負わない。「回収に出すために食品トレーを洗ったりするのも、習慣になると苦になりません」
ただ、こうした取り組みができるのも「千造さんが協力してくれるから」と思う。「乾燥剤を再利用するのは彼のアイデア。よそのご主人だったら『変なものを靴に詰めて』と怒られるかも」と笑う。
一方、千造さんはこうした千恵美さんの姿勢に「普通にやっているところがすごいと思う」と感心する。「いいことだと思うし。だから自然に協力できる」
|
|
ペットボトルのふたも洗ってためておく
|
一人ひとりが行動に
自然で、無理のない高尾さん一家の「暮らしのエコ」。それによって削減できる二酸化炭素(CO2)は、マイバッグ使用によるレジ袋の削減で124㎏、「緑のカーテン」による冷房の使用回数減で47.8㎏。実測できただけでも、合わせて171.8㎏になる。
エコドライブ、緑のカーテン、クールビズ、マイバッグ使用、生ごみのたい肥化、不用品の再利用―。暮らしの中でできるエコへの取り組みは、いろいろある。一人ひとりがほんの少し周囲のことや将来を気にかけ、行動に移せば、環境への負荷は大きく減らせる。
|
|
ゴーヤーで作った緑のカーテン。エアコンの使用が減った
|
例えばこんなとき
|
|
暮らしの中で、どんな環境配慮ができるか。例えば家電製品の購入。省エネ型にすれば、消費電力が減らせる。テレビなどの待機電力も、元電源から切れば家庭の全消費電力の10%近くを節約できる。
食べ残しも止めたい。食料自給率が40%の日本で、残飯になる食料の値は農林水産業の生産量に匹敵するという。食べ終わった後の食器洗い。水をためて洗えば、流し洗いの数分の一の水量で済む。
二酸化炭素(CO2)の排出量を考えると、燃料消費を抑えるエコドライブも心がけたい。経済的で安全でもある。
|
|