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エコ最前線(私の提言)

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vol.01 ある日の親子の会話から (2006年)

桑原さん

 vol.01 ある日の親子の会話から (2006年)

桑原 博美さん

NPO法人さが環境推進センタースタッフ。2005年から佐賀市エコプラザの運営に携わり、毎月発行している「エコプラザ通信」の編集を担当する。「エコプラザでいろんな人、いろんな価値観と出会い、自分の生き方と重ね合わせながら、あれこれ考えています」。
佐賀市高木瀬東、44歳。

  5月末の水曜日の午後、職場から出された宿題(この原稿の執筆)について考えているところへ、『ねえ、勉強したこと、ちゃんと覚えとっか、試してくれん?』 と、息子が2枚のプリントを差し出した。ああ、今日から中間テストだ …

 何々…、高度経済成長! ごみの大量増加! 環境基本法!? リサイクル!! おまけに男女共同参画社会! えっ!? NPO!! … (君の母はNPOのスタッフなんだよ)
なんとまあ!? 先ほどから考えていた言葉が出てくる、でてくる。
息子は学校でこんなことを教わっているのか!うれしくなってきた…。

 ここは母に任せなさい! なんといっても職場では、真のインタープリター(*)を目指しているのだから!!

 プリントの題名は「現代社会の歩みと私たちの生活」「個人と社会生活」だ。ひと通りの出題を終えると、息子は私から頼まれた我が家の買い物ついでに、おやつを買いに出かけて行った。
 現代の社会は、確かに私たちの生活を豊かで快適にしてくれた。

 でも、考えてしまう。私たちは本当に豊かなの? こんなに大量のごみを出すことが豊かさにつながるの? 『ごみ』って決めて出しているのは誰? ほんとはまだもっと使えるものがあるんじゃないの?

   (まぁーだ使わるっさい!)

 私は衣服を人の一生になぞらえて考えることがある。
 織り上げていく糸は赤ちゃん、織りあがっていく布は子どもたちだ。どんな風に仕上げようかな!と作り手は考える。どんな人間になってほしいか親が考えるように。出来上がった服は社会で最も注目される働き手となる。 さて、もう着なくなった服は? 捨ててしまうの?   それなら…働かなくなった人や、充分に働けない人たちは?  どうなるの? 社会から遠ざけられてしまうの?  そんな危惧を抱いてしまう。

 ものが大事にされる社会は、人も大事にされる社会にちがいない、と信じている。

 表に出ている部分はとてもわかりやすく、評価しやすい。 しかし、見えてない部分こそ本当はもっとたくさんあって、きっと、それもとても大事なんじゃないのだろうか? 私はそこを見つめて生きていきたいと思っている。それが私が感じる豊かさだと思うから。

『ただいま!』 息子が帰ってきた。
『ねぇ、詰め替え用って言ったけどさ、本体のほうが50円安かったけん、こっち、買ってきた!』
『えっ!?』
『おまけにさあ、50mlも多かとけ!』

 なるほど、君は表に出ている部分に惑わされてしまったのね。(でも、経済観念のほうは身についているらしい…)
 我が家の中での環境啓発事業はまだまだ、続きそうである。

*インタープリターとは、(通訳)(橋渡し)という意味があります。しかし、ただ単に事実や、知識、情報を伝えるだけでなく、その背後にある意味(一体何の為に、どんな意味があるのか)や、メッセージを伝える人のことです。

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