現在位置:

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

国交省「リレー方式」正式提案 追加工事費70億円

九州新幹線長崎ルート

2016年03月09日 12時36分

 九州新幹線長崎ルートに導入するフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発が大幅に遅れている問題で、国土交通省は8日、武雄温泉駅で在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で2022年度に暫定開業させる案を佐賀、長崎両県に正式に提案した。同じホームでの「対面乗り換え」を示し、武雄温泉駅の追加設備や大村車両基地(長崎県)を新幹線仕様に改修する工事費が新たに約70億円かかると試算した。佐賀県はFGTの開発遅れに伴う追加負担を県に求めないことなどを要請した。

 武雄温泉の乗り換え時間は約3分で、博多-長崎間は最短で約1時間26分となり、現在の特急より約22分短縮されるが、FGTよりも約6分遅い。

 国交省の水嶋智審議官ら3人が県庁を訪れ、副島良彦副知事らに非公開で説明した。県によると、国は22年度に完成予定の新幹線施設(武雄温泉-長崎)について「施設の有効活用、開業効果の早期発現のため完成時点での供用が望ましい」とし、同区間にフル規格車両を導入して「武雄温泉駅で乗り換え方式とすることを前提とせざるを得ない」と伝えた。

 その上で乗客の利便性に配慮し、対面乗り換えを前提に「関係者間で費用負担などを含めて合意を得た上で、追加的に必要な関連施設の整備を進めたい」という意向を示した。

 試算では、新幹線ホーム拡張や分岐器設置などに約24億円、大村車両基地や熊本総合車両所にフル規格車両の検査・整備ができる新設備を追加するため約46億円かかると説明している。改札を出て乗り換える「コンコース方式」は、対面乗り換えに比べてホーム拡張費7億円を必要としないため約17億円としている。

 国は武雄温泉駅について工事のやり直しなどを避けるために「本年度末をめどに設計変更に着手し、新年度の早い時期の着工が必要」という認識を示した。県は、開業の在り方を協議している与党検討委が3月中の結論を急いでいる理由と受け止めている。

 県はFGT導入を前提に、開発遅れに伴う追加負担を求めないことや、FGTの軌間を変換する新鳥栖や武雄温泉のアプローチ線と在来線の肥前山口-武雄温泉の複線化工事の確実な実施、量産車による運行が実現するまでの特急本数の一定確保などを要請した。

 国交省によると、開発が順調に行けば、FGTの先行車両を22年度前半に投入、量産車は25年春に導入し、全面開業する。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

記事アクセスランキング