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就活ヤマ場

県内企業も選択肢に

2017年06月19日 05時00分

 来春卒業予定の大学生などを対象とした主要企業の採用面接が今月から始まった。人手不足を背景に、企業の採用意欲は高く、すでに多くの企業が「内定」を出している。学生優位の「売り手市場」の中で、佐賀県内の中小企業は人材確保に苦戦しそうだ。

 経団連が加盟企業向けに定めている採用活動日程の指針では、会社説明会の解禁は3月1日、面接などの選考活動は6月1日、正式な内定は10月1日となっている。2年連続で同じ日程だが、加盟していない外資系や中小などは優秀な学生を確保しようと、採用活動を早めている。解禁の設定は形骸化しているのが実態で、就職戦線は終盤に入っているようだ。

 就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアの調査(回答1218人)によると、内定率は面接などが解禁されたばかりの今月1日時点で61・0%だった。昨年同時期より9・7ポイント高く、企業が早期の人材確保に動いている状況がうかがえる。同社は「企業が危機感を持って採用計画を前倒ししている」と分析する。

 一方、佐賀県内は、これから本格化する企業も多い。佐賀新聞では現在、県内主要企業60社の採用計画を調査(今月下旬に掲載予定)している。これまでに取材した企業では「今春より増やす」と積極的な姿勢が目立つが、採用担当者からは「必要な人員を確保できるだろうか」「内定を出しても、辞退者が増えるのではないか」など不安の声が聞かれる。

 県内には、長い歴史を持った老舗企業や独自の技術で業績を伸ばしている企業などが数多くある。規模は小さくても、そこには地域経済を支え、佐賀の発展に貢献してきた地場企業ならではの仕事のやりがいがあるはずだ。それぞれの魅力をアピールして、求職者の関心を引きつけたい。

 県は、県内に正社員で就職する県外の大学生や短大生、Uターンの転職者ら最大500人を対象に、奨励金10万~30万円を支給する制度を新設した。人材流出が課題となっている九州では初の取り組みで、県内就職を後押しする。「奨励金がもらえるから」という理由で就職先を選ぶとは考えにくいが、「ふるさと佐賀に帰ってきてほしい」というメッセージにはなるだろう。県内就職の増加は少子高齢、人口減少に向けた対策としても効果は大きく、継続的に取り組んでいきたい。

 都市部の企業に比べ、県内の企業は、初任給など待遇面で見劣りするのは否めない。ただ、日常の暮らしを考えると、経済的な条件がそのまま「豊かさ」の度合いにつながるわけではない。若い人たちには衣食住のコストをはじめ、自然や人とのつながりなど地方の良さにも目を向けた上で将来の選択をしてほしい。(大隈知彦)

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