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県東部の広域ごみ処理

2016年01月11日 05時00分

 鳥栖市と三養基郡みやき、上峰の両町でつくる鳥栖・三養基西部環境施設組合が、2024年春の稼働を目指している次期ごみ処理施設計画で、鳥栖市と建設候補地である同市真木町との交渉が大詰めを迎えている。現状の1市2町での処理について、市は昨年12月に真木町から大筋で地元同意を得たものの、隣接する神埼市と神埼郡吉野ケ里町から次期施設への参加要請を受けており、こちらの同意も欠かせないためだ。市には真木町住民の不安を取り除く最大限の努力を引き続き求めたい。

 「(さらなる広域化に対して)さまざまな話を申し上げて1月末までに結論を得たい」。今月5日の定例会見で橋本康志市長は真木町から大筋合意を得たことに感謝する一方、国への追加申請などに向けて、神埼市、吉野ケ里町を加えた2市3町の枠組みに早急に理解を求める考えを示した。

 みやき町簑原にある現施設の設置期限は24年春まで。建設する際、次期施設を鳥栖市に造ることを1市2町で申し合わせた経緯があり、市は2年前に候補地選定に着手した。1・5ヘクタール以上の複数の候補地を比較検討した結果、04年に現施設が稼働するまで使っていた焼却施設が残る真木町の市有地1・8ヘクタールを候補地に決めた。

 市が地元合意を急いでいるのは、新施設建設の環境影響評価や工事に8年を見込み、今始めなければ間に合わないためである。

 市と真木町との交渉は昨年3月にスタートした。地元説明会や窓口となる住民組織との交渉を重ね、1市2町の枠組みへの大筋合意となったが、地元では施設建設への不安が完全に払しょくされたとは言い難い部分もあるようだ。候補地周辺の交通量増加や環境変化にいまなお不安を感じている人もおり、住民代表の一人は「もう少し時間が欲しかったというのが本音」と明かす。神埼市、吉野ケ里町が加わる2市3町の新たな枠組みに対しては「真剣に考えなければならない」と語る。

 いま市や組合がなすべきことは、これまで以上に詳細な説明で真木町住民の不安を取り除き、さらなる広域化の必要性を分かりやすく示すことだ。人口減少社会の中、国や県がごみ処理の広域化を推進している。13年に閣議決定された廃棄物処理施設整備計画は、「広域的な視点に立った強じんな処理システム確保」を目標に掲げ、焼却熱による創エネルギーや災害対策の強化などに取り組み、施設を地域の環境保全の拠点にするよう求めている。

 広域化で建設時の負担金や完成後の運営コストも抑えられる。県内では、県西部4市5町の広域施設「さが西部クリーンセンター」が今月から正式稼働し、久留米市でも最新施設が4月以降に動き始める。こうした先進例を示すことも理解を得るのに不可欠だ。

 真木町の建設候補地に近接するエリアでは新年度、農地転用による新産業集積エリアの用地造成も始まる。こちらも数年間工事が続く見通しで、市は県と連携しながら道路整備など付近の環境整備に配慮してほしい。2市3町の住民は次期ごみ処理施設計画が、県東部全体の暮らしを守る方策であるという自覚を持つことが必要だろう。真木町住民が大きな決断を迫られていることを理解し、思いを寄せてほしい。(杉原孝幸)

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