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玄海原発の審査書要旨

2017年01月19日 10時25分

 九州電力玄海原発3、4号機について、原子力規制委員会が18日に決定した審査書の要旨は次の通り。

【審査書の位置付け】

 本審査書は原子炉等規制法に基づき、九電が原子力規制委員会に提出した玄海原発3、4号機の発電用原子炉設置変更許可申請書の内容が原発の新規制基準に適合しているかどうかを審査した結果を取りまとめたものである。

【基準地震動】

 九電は震源を特定した場合の基準地震動を最大加速度540ガル(水平方向)、震源を特定しない場合を同620ガルとした。各種の不確かさを考慮し、最新の科学的・技術的知見を踏まえており、新規制基準に適合している。

【地盤】

 耐震重要施設を設置する地盤に分布する三つの断層を含め、敷地内の断層は将来活動する可能性のある断層には該当しない。

【基準津波】

 九電は、複数の基準津波を想定し、沖合の水位上昇量は最大で0.64メートル、水位降下量は最大マイナス0.92メートル。遡上(そじょう)高は最高で海抜6メートルで、津波防護対象設備のある建屋周辺敷地(海抜11メートル)には地上部から到達しない。取水路、放水路などから津波流入の可能性があるが、浸水防止設備を設ける。津波流入の可能性を網羅的に検討して流入を防止するとしており、新基準に適合している。

【竜巻】

 九電は、竜巻に対する防護設計のため、国内で過去に発生した最大の竜巻にさらに余裕を持たせた最大風速100メートルを設定。竜巻による飛来物となり得るものを固定するなどの対策を講じる方針を確認した。

【火山】

 九電は、原発に影響を及ぼし得る火山として21火山を抽出した。原発の運用期間中に、火山爆発指数7(9段階で上から2番目の規模)以上の噴火の可能性は十分に小さく、指数6以下の過去最大規模の噴火を考慮しても、原発に影響を及ぼさないと評価した。規制委は、評価は妥当と判断した。

【電源喪失対策】

 九電は、全交流電源喪失に備えて、重大事故に対処するための電源設備から電力供給されるまでの約25分間に、原子炉の安全な停止や冷却、格納容器の健全性確保のための設備に、十分長い間電源供給できる蓄電池を備える方針を確認しており、基準に適合していると判断した。

【重大事故の拡大防止】

 炉心損傷防止対策では、全交流電源喪失など八つの想定を審査。格納容器破損防止対策では、格納容器の圧力の上昇など六つの想定について審査した。それぞれのケースで九電が計画する対策を検討した結果、有効と判断した。

【水素爆発対策】

 九電は、水素爆発による格納容器の破損を防ぐため、水素濃度を低減する設備や、可搬式の水素濃度計測装置などを整備する方針を示した。

【放射性物質の拡散抑制】

 九電は、炉心損傷や格納容器の破損などが起きた場合に発電所外への放射性物質の拡散を抑えるため、移動式のポンプ車や放水砲などを整備し、屋外から格納容器などに放水する方針を示した。放水によって海に放射性物質が広がることを防ぐため、シルトフェンスなども整備する。

【緊急時対策所】

 九電は、事故時の対応拠点となる緊急時対策所を、免震重要棟内に設置するとしていた当初の計画を変更し、代わりに新設する耐震構造の緊急時対策棟内に設置するとした。規制委は基準地震動や基準津波に対応し、中央制御室と離れた場所に設置する方針を確認した。

【大規模自然災害やテロ対策】

 大規模な自然災害や大型航空機衝突などのテロで、原子炉施設の大規模損壊が発生した場合に備え、九電は手順書、体制、資機材を適切に整備する方針を示した。休日や夜間にも発電所内や近くに緊急時対応要員を確保し、必要な設備や資機材が同時に機能を喪失しないよう、複数箇所に分散配置するとしており、規制委は適切と判断した。

【審査結果】

 九電が提出した玄海原発の申請書を審査した結果、新規制基準に適合していると認められる。

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