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原子力防災協緊急時対応 実効性に課題山積

3県避難計画 車両や運転手「調整中」

2016年11月23日 10時12分

 国と佐賀、福岡、長崎の3県で構成する玄海地域原子力防災協議会が21日に取りまとめた玄海地域の緊急時対応。九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に対応する地域防災計画や避難計画は、各県や自治体が個別に策定してきた。今回は国が中心となって全体の「見える化」を図った形だが、再稼働に関し、原子力規制委員会の「審査合格」が迫る中、避難計画の実効性の確保には課題が山積している。

 「これでOKということはあり得ない。常に見直しをして、実効性を高める努力をしていきたい」。緊急時対応がまとめられたことを受け、佐賀県の山口祥義知事は気を引き締めた。

 緊急時対応は145ページに及ぶ。避難計画に関して基本的な半径30キロ圏の人口や福祉施設の入所者数だけでなく、避難に必要な車両や避難所などについて具体的な数値が盛り込まれた。規模や詳細な動きが分かる一方、道半ばの計画も透けて見える。

 県内で高齢者や障害者を乗せる福祉車両は現時点で12台足りず、今後は九州電力が随時配備する。住民避難で利用するバスに関しては業界団体と協定を結んでいるが、運転手の動員方法は調整中としている。

 半径5キロ圏内の住民に事前配布する安定ヨウ素剤は現在、地区ごとに更新が行われているが、8月末現在の配布率は66%ほどにとどまっている。3歳未満のゼリー状の薬剤も配布が始まったばかりだ。

 10月の原子力防災訓練をチェックし、複合災害の対応などを問題視している市民団体「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の永野浩二事務局長は、国がまとめた緊急時対応について「原発は国策なので、国が責任を持つのは当然」と話す。その上で、避難計画に関しては放射線防護や周知の不十分さを指摘し、県や市町に対して「住民の生命や財産を守るのは自治体の責任。住民の立場で考えてほしい」と、さらなる計画の充実を求めた。

=考 玄海原発再稼働=

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