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躍動!農業女子(14) 向井明日香さん(39)=太良町

2017年06月17日 08時30分

両親が経営する「明日香園」を総務部長として支える向井明日香さん(左)。ハウス内にはこの時期、色とりどりのケイトウが咲き誇る=藤津郡太良町
両親が経営する「明日香園」を総務部長として支える向井明日香さん(左)。ハウス内にはこの時期、色とりどりのケイトウが咲き誇る=藤津郡太良町

 有明海を望む藤津郡太良町にある標高約100メートルの丘陵地。ミカン畑を切り開いた約70アールのハウスに色鮮やかなユリとケイトウが咲き誇る。家族と従業員計12人で切り盛りする「明日香園」。「私が短大に通っている間に勝手に名前を使われて…」。同園で総務部長を務める向井明日香さん(39)は笑う。両親が二人三脚で大きくした花園で幅広い業務を担い、経営を支える。

 「生まれた頃から家に花があった」。明日香さんにとって、家業に携わるのは自然の流れだった。大阪の短大を卒業後、久留米市内の花屋に就職。販売のノウハウを3年間身に付け、故郷に戻った。

 実家はもともとミカン農家。体力面への不安や、母の山口十美子さん(62)の実家が菊を栽培していたのがきっかけで、約40年前から花き園芸に切り替えた。徐々に品種を増やし、現在はユリ、ケイトウともに20種以上、年間合わせて約70万本を栽培する。

 明日香さんの仕事は総務、経理などの事務・管理業務から販売、従業員の食事の世話まで多岐にわたる。11年前に法人化。現在はベトナムやインドネシアから研修生も受け入れており、海外に足を運ぶこともある。

 結婚して15年目。鹿島市から通勤、中学2年から年中児まで4人の育児と仕事を両立できるのは「夫や義母の協力があってこそ」と明日香さん。多忙な日々にも「花は感謝を伝える手段として、多くの人に使ってもらえる」と充実感が漂う。

 開園時はユリが中心だったが、夏場もハウスを有効活用できるように10年前から暑さに強いケイトウとの連作を始めた。仏花として知られる一般的なケイトウと違い、父の秀行さん(62)は花が外側に広がったボンベイケイトウの品種改良に着手。赤や紫だけでなく、緑や黄色、オレンジなど多彩な色をそろえ、「地上の珊瑚(さんご)」と表現して売り出す。花首が固くて使い勝手が良く、結婚式のアレンジメントでも注目を集め、関東への出荷も増加している。

 明日香さんは、特殊な保存液を含ませ、長持ちするようにした「プリザーブドフラワー」の加工も模索。また、業務の傍ら年に数回、地元の小中学校でフラワーアレンジメントの指導にも取り組む。花を飾る習慣が広がり、「将来、農業をやってみたいと思ってもらえたら」。夢は広がる。

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