現在位置:

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

佐銀など事業性評価を推進 特許融資の判断材料に

「知財金融促進事業」を活用

2017年03月03日 10時21分

日本弁理士会九州支部が開いた2月の交流会では、金融機関の担当者らが事業性評価の推進をテーマに意見交換した=佐賀市のグランデはがくれ
日本弁理士会九州支部が開いた2月の交流会では、金融機関の担当者らが事業性評価の推進をテーマに意見交換した=佐賀市のグランデはがくれ

 金融機関が特許などの知的財産(知財)を融資の判断材料にしようという動きが全国で広がっている。企業の事業内容を見る「事業性評価」を強化して融資するよう金融庁が求めていることが背景にあり、佐賀県内の金融機関も取り組みを強めている。

 佐賀銀行(佐賀市)は昨年末、西松浦郡有田町の酸化チタン水溶液メーカー「イリス」(島田幸一社長)に数百万円を融資した。決め手になったのは、同社が保有する酸化チタンと銅を配合したコーティング剤の特許だ。

 融資はノロウイルスに効果があるか見極めるための検査費用に充てたといい、島田社長は「販路開拓や製品の磨き上げに資金が不可欠。特許を評価してもらいありがたい」と語る。

 今回、佐賀銀行は融資に際して特許庁が2014年度に始めた知財金融促進事業を利用した。地域の金融機関から“推薦”された中小企業の知財について調査会社が独自性や市場性、成長性を評価。費用は特許庁が負担する仕組みでこの3年間で全国351社の評価書が策定されている。

 佐賀銀行は本年度、4社を申請し、このうちイリスが選定された。経営者が想定するペット市場だけでなく医療介護、繊維などでビジネスチャンスがあることが分かり、「第三者の評価は融資判断の大きな補完材料になる」と担当者。知財の市場性や将来性を見極める専門家が金融機関にはおらず、評価書が企業とコミュニケーションを深めるツールにもなるという。

 佐賀共栄銀行(佐賀市)は本年度、佐賀市の産廃処理業者1社が選定された。廃棄物をリサイクルした土壌改良材の特許の市場価値が評価書で示され、担当者は「市場調査の手伝いにもなる。今後、取引先が拡大すれば資金需要は出てくる」とメリットを強調。別の企業の評価書策定を弁理士に依頼し、融資についても検討中だ。

 日本弁理士会九州支部は2月13日、知財金融促進事業の拡大などを見据え、金融機関など11団体との交流会を県内で初開催した。

 岩永和久支部長は「特許の評価が企業価値の可視化につながり、企業の強みにもなる。金融機関などとともに事業性評価に取り組んでいきたい」と語る。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

記事アクセスランキング