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佐賀んもんの後は

2017年08月13日 05時04分

 「佐賀んもんの通った後には草も生えん」というのは、てっきり悪口だと思い込んでいた。道ばたに生えている草まで取り尽くしてしまう。つまり、ひどいけちぶりを指しているのだと。どうやら勘違いだったらしい◆「佐嘉の者は昔からよう、『立つ鳥は跡を濁さず』と、言うことで、佐嘉の者がとにかく立ち去ったあとは、きれいに、誰が来てもいいようにきれいにして、とにかく立ち退いて行く」のだとか。佐賀民話の会の宮地武彦さんの『多久・飯盛翁が語る佐賀の民話』(佐賀新聞社刊)に教えられた◆自分の後を使う人のために、きちんと整えておく。現代にも通じる心遣いに違いない。最近はシンプルな暮らしぶりが人気を集めており、ひたすら大胆に捨ててしまう片付け法の本も出ている。極端に物を持たない「ミニマリスト」「シンプリスト」なる人々まで注目されている◆デザイナーの佐藤可士和さんは明快な作品で知られるが、その整理術は大いに参考になる。例えば、机の使い方。鮨(すし)店のカウンターを挙げて「板前さんがネタを切って、握って、出し終わったら板場をさっと拭いてきれいにする、あの仕事ぶりのイメージです」◆まさに「立つ鳥」に通じる心得である。これからは「佐賀んもんの…」と言われたら胸張って教えよう。あれは佐賀んもんの気遣いぞってね。(史)

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