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現代版シルクロード

2017年05月17日 05時00分

 シルクロードを描き続けた画家の故・平山郁夫は「シルクロードとは、人類が時空を超えて築き上げた大叙事詩であろう」と書いた。東西の文化が行き来し、日本の奈良まで続く、遥(はる)かなる道のり。「細い一本の絹糸で結ばれているのが痛く感じられ、夢がある」(NHKスペシャル『新シルクロード』)◆それに比べて、現代版シルクロード「一帯一路」はどうだろう。北京で開いたサミットには130カ国以上の代表が顔をそろえた。関係国の経済振興を図るという触れ込みだが、中国経済圏にのみ込まれはしないかという警戒感もくすぶる◆一帯一路構想には宇宙開発計画まで絡む。中国版GPS(衛星利用測位システム)を打ち上げ、対象国をカバーするのだという。その先には2020年の火星探査機打ち上げまで見据える◆一帯一路サミットに代表団を派遣した北朝鮮は、サミット開幕祝いのつもりか、「火星」の名を冠した新型の中長距離弾道ミサイルを打ち上げた。大気圏への再突入を実現させ、核弾頭まで搭載できるというから、周辺国にとっては、いよいよ頭が痛い◆平山が愛したシルクロードは、ともすれば途切れそうになりながらも洋の東西をつなぎとめた、いわば融和の道だった。現代版シルクロードからは、きな臭いまでの覇権主義が漂う。思い過ごしならいいが。(史)

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