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リーダーの孤独

2017年04月21日 05時00分

 スマートフォンの画面に浮かんだ速報を見た瞬間、思わず首をかしげた。英国のメイ首相が総選挙に打って出るという。すでに国民投票で欧州連合(EU)離脱の意思は確認しているし、EU側にも正式に伝えた。今さら何を国民に問うというのか、と◆続報に目を通して、ようやく分かった。足場固めである。メイ氏が選んだのは、巨大市場から完全に離れる「ハード・ブレグジット」と呼ばれる、最も厳しい道だ。いくつものハードルが待ち構える。今のうちに異論を封じておきたいというわけだ◆メイ氏の大先輩である「鉄の女」マーガレット・サッチャー元首相が、こんな言葉を残している。「私は意見の一致を求める政治家ではない。信念の政治家だ」。コンセンサスの政治を「時間の浪費」と切り捨てたサッチャーらしい。覚悟と自負がにじむ◆そもそもEU残留派だったメイ氏が離脱を主導するのは皮肉だが、重い決断を迫られるリーダーは孤独に違いない。「国会は団結すべきなのに分断されている。国はまとまりつつあるのに国会はそうなっていない」とメイ氏は訴えた。何としてもコンセンサスを得たいという思いがにじむ◆わが佐賀県も国政絡みの重い課題を背負う。玄海原発の再稼働を認めるか、知事の判断の時が近づく。ここはコンセンサスの政治か、信念の政治か。(史)

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