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介護の人手不足 派遣体制の広域化必要

備える支える「熊本」「佐賀」災害弱者の視点(2)

2017年04月17日 08時45分

熊本地震の本震から1週間が過ぎて、熊本県や関係団体などが開いた支援調整会議=熊本市内
熊本地震の本震から1週間が過ぎて、熊本県や関係団体などが開いた支援調整会議=熊本市内

 派遣先が決まるのは、いつも前日ぎりぎりだった。「明日、益城町の施設に行ってください」。多久市にある佐賀県介護福祉士会事務所。職員が現地から要請を受けると、待機している会員に急いで取り次いだ。

■刻々変わる

 熊本地震では、介護現場が深刻な人手不足に陥り、全国から支援スタッフが派遣された。熊本県によると、ピーク時は1日当たり約30施設に100人、発生から5カ月で延べ5500人を受け入れた。

 佐賀県からは高齢者福祉の関係団体を通し、実数で59人を派遣した。県介護福祉士会からは6人を送り出した。「行きたい人は他にもいたけど、日程が合わなくて」。職員は残念がる。

 介護職員を災害派遣する場合、事業者の団体は国が人件費などを負担する。介護福祉士やケアマネジャーらの職能団体は原則ボランティアになる。いずれにしても職場の許可を得て赴くことになるが、人のやりくりに苦心しているのは全国どの施設も同じで、急に休みを取るのは難しい。

 熊本市在住で、受け入れ施設との調整役を担った日本介護福祉士会の石本淳也会長(45)は、こうした状況を承知した上で理解を求める。「現場は刻々と動いていて、どんな人が何人欲しいというニーズも日々変わる。被災地支援は『受ける側』の意向が優先されるべきで、手配が直前になるのはやむを得なかった」

■混乱の中で

 ただ、発生当初の支援の在り方については、改善すべき点があるという。4月16日の本震後、関係団体は続々と現地入りしたが、それぞれ独自で行動したため、支援が満遍なく行き渡らなかった。全体を調整する合議の場ができたのは1週間が過ぎたころ。石本さんは「災害が起きたら素早く適切に動く広域的な支援の仕組みを、自治体と関係団体が連携してつくり上げる必要がある」と訴える。

 全国認知症介護指導者ネットワークから派遣されて調整会議に参加した神埼市の平方啓義さん(38)も、同じことを考えている。

 被災地周辺の施設には空きベッドが多数あったため「移動のリスクより、とどまるリスクが大きい人は一時的にでも別の施設に転出させた方がいい」と提案した。しかし、熊本県の施設や行政側は難色を示した。「本人や家族の説得に時間が掛かる」「人的余裕がない」という理由だったが、混乱した状況で冷静に議論できなかったと振り返る。

 「『自分がやらなければ』と頑張る姿には頭が下がるが、頑張りすぎて倒れたら何にもならない。広い範囲で助け合うという考え方を、みんなで持ち合わせていたい」と平方さん。災害弱者を支える人をどう支えるか、という視点も重要になる。

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 熊本地震の被災地では、慢性的な人手不足に悩む介護現場がさらに過酷な状況に追い込まれた。多くの施設で、自宅や避難所で暮らせない高齢者を受け入れた上に、職員も被災して出勤できなくなり、人手不足が深刻化した。現場の疲弊は介護の質の低下につながる恐れがあり、国が関係団体に応援を要請した。

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