平和学習を盛り込んで開かれたしゃべり場。一人一人が向き合って座り、自らの考えを伝えていた=吉野ヶ里町のきらら館

キッズゲルニカと制作した武雄小の6年生=武雄市の武雄小体育館

多良中学校で平和についての講演をした佐賀西高3年の伊勢優香さん=太良町の同校

■世代超え思い伝え合う 東脊振中「しゃべり場」

 東脊振中学校の生徒と地域の大人が対話する「しゃべり場」が3日、吉野ケ里町のきらら館で開かれた。全校登校日に合わせた初めての取り組みで「平和学習」の要素を盛り込んで実施した。事前に生徒から募った問い掛けをもとに、世代を超えて自分の胸に抱えた思いを伝え合った。

 「中学校で学んで役立ったこと」など学校生活の話題に始まり、戦争や平和を考える内容まで、相手を変えながら交互に1分間ずつ話した。終盤にスクリーンに映し出されたのは「戦争について思うこと」「今って平和?」と大人も頭を悩ませる表題。生徒たちは必死に言葉を紡ぎ、自らの考えや疑問を相手に伝えていた。1年の中島敏信さん(12)は「犠牲の上に成り立つ平和は正しくない。でもどうすれば戦争がなくなり平和になるのか、答えは見つからない」と語った。

 進行を務めたNPO県放課後児童クラブ連絡会の石橋裕子理事長(56)は「生徒たちの問いは大人の宿題でもあった。思ったことを語り合う中で、地域で応えていければ」と話した。

 しゃべり場は世代間の交流を促そうと町社会教育課が主催し、総勢220人が参加した。秋以降に町内のほかの小中学校でも実施する予定で、町内の企業人や地域の大人の協力を呼び掛けている。

■「PEACE」願い込めキッズゲルニカ 武雄小6年生

 武雄市の武雄小の6年生が、平和を祈る「キッズゲルニカ」を制作した。52人全員が平和への思いを描いた70センチ四方の画用紙を並べて7・8メートル×3・5メートルの大作に仕上がった。3日の平和集会で全校児童に披露した。

 キッズゲルニカは画家のピカソがナチスドイツのスペイン爆撃に抗議して描いた「ゲルニカ」に由来。子どもたちがゲルニカと同じ大きさのキャンバスに平和の絵を描く。

 武雄小の絵には、折り鶴やハト、天使、地球の地図などが描かれ、「平和」「PEACE」の文字が並んだ。中には「GENBAKU」の字も。体育館の壁に先生の3枚も加えて縦に5枚、横に11枚を並べて張り、みんなの願いが1枚の大きな絵になった。

 「予想以上に大きかった」「みんなで作れてよかった」と子どもたち。この日は、グループに分かれて下級生のクラスを回り、原爆のことや戦時中の暮らしなど戦争や平和について学んだことも発表し、6年生の視線で感じた戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えた。

■長崎被爆資料など100点 佐賀市立図書館」 

 「第26回佐賀市平和展」が3日、佐賀市立図書館2階で始まった。長崎原爆資料館から貸し出された被爆資料をはじめ、大刀洗飛行場を撮影した写真など約100点を展示。戦争の悲惨さを伝えるとともに、平和の尊さを訴えている。6日まで。

 開幕式では御厨安守副市長が「平和の尊さをつなぐことが大事。二度と戦争を繰り返さず、後世に記憶を伝えなくてはいけない」とあいさつ。マリンバ教室の子どもたちによる、平和への願いを込めた演奏も披露された。

 展示スペースには、原爆の熱線によって表面が沸騰した瓦や、爆発時間の11時2分を指したまま止まった時計などが並び、当時の惨状を生々しく伝える。親子で訪れた山下留美さん(41)、璃乃さん(10)、巴瑠(はる)さん(7)=佐賀市=は、1991(平成3)年に見つかったという炭化した麦を見つめ、「平成の時代に入っても発掘される資料があることに驚いた。私たちの時代にもつながる、身近な出来事だったという実感が湧く」と語った。

 同展関連イベントとして、広島、長崎で二重被爆した祖父を持つ原田小鈴さん(長崎市)による講話を5日午後2時から開くほか、平和への祈りコンサート(6日午前11時)や絵本スライド上映(6日午後1時半)などもある。

■平和大使・伊勢さん被爆者の声を紹介

 太良町の多良中学校(巨瀬徳彦校長)で2日、平和集会が開かれ、昨年度の高校生平和大使を務めた佐賀西高3年の伊勢優香さん(18)が講演した。約150人の生徒たちは真剣な表情で伊勢さんの話に耳を傾け、平和についての認識を深めた。

 伊勢さんは高校生平和大使の活動内容を説明。「自分たちは、被爆者の生の声を次世代に伝えていかないといけない」とスイスでのスピーチの内容を伝えた。さらに、自らが聞いた被爆者の声を紹介し、核兵器や戦争がない平和な世界を目指すことを訴えた。

 伊勢さんは「平和のために必要なのは、“知る”ことと“分かり合えないことを前提に分かり合う”こと。一人一人の力は微力だけど、無力ではない。しっかりと発信していきたい」と力を込めた。

 生徒会副会長で3年の食場美憂さん(14)は「平和について自分なりに考え、些細なことでも行動していきたいと思った」と話した。

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