終末期の医療に関する意思決定の支援や普及啓発を行うため、厚生労働省は3日、国民や医療・介護従事者ら約2万3千人を対象とした意識調査を10月から実施することを決めた。5年に1度の調査だが、介護施設関係者など対象者を5千人近く増やし、来年3月にまとめる予定の報告書に反映させる。高齢化に伴う「多死社会」の中で希望する最期を迎えるために、事前の意思表示の重要性を広く伝えたい考えだ。

 情報提供や支援の仕組みづくりのほか、来春作成する普及パンフレットにも調査結果を生かしていく方針。厚労省が、同日開いた検討会の初会合で、調査内容を大筋でまとめた。

 検討会では、意思決定支援の例として、本人や家族、医療従事者らが治療内容や療養場所などを繰り返し話し合って決める「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」を紹介。今回の調査では、希望する終末期を過ごす場所のほか、ACPを進めることの賛否なども新たに尋ねる。

 がんを経験した委員からは「命の危険にさらされると何も考えられなくなる。必要になる前に普通に語れる環境整備が必要」といった意見が出された。

 高齢化の進展で、年間死者数は2015年には約129万人となり、40年には約169万人まで増える。事前に延命治療の是非などを話し合っていなかったために、意思に沿わない治療をされるケースも相次いでいる。

 終末期医療では人工呼吸器の使用や胃に直接栄養を送り込む胃ろうなどの処置が行われているが、話題にする機会は少ない。また、「医療費削減が目的」といった批判を招かないよう、中立的な啓発資料の作成を目指す方針だ。【共同】

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