保育所の待機児童が多かった全国62市区町のうち、39%に当たる24市区町が保育士の給与上乗せや家賃補助など、独自の処遇改善を実施していることが25日、共同通信のアンケートで分かった。政府は「1億総活躍プラン」で2017年度から保育士給与を月額約6千円引き上げるとしたが、37市区町(60%)は「不十分」と回答した。【共同通信調査】

 今年4月1日時点の待機児童数は計1万3831人で、施設増により前年から微減。政府は待機児童解消のため17年度末までの5年間に保育の受け皿を50万人分増やす方針だが、必要な保育士の確保に自治体が苦慮している実情が浮かんだ。

 アンケートは昨年4月1日時点で待機児童が100人以上いた16都府県の62市区町を対象に実施。東京、大阪などの大都市圏に加え、仙台市、静岡市、熊本市などがあった。

 独自の処遇改善を行っている24市区町のうち、保育士の給与を上乗せしているのは14市区町。千葉県船橋市は1人当たり月額平均約3万2千円、大分市は同約4千円を支給している。

 保育士の家賃を補助しているのは茨城県つくば市など7市区。この他に「(資格があっても働いていない)潜在保育士の就職時に最大10万円支給」(兵庫県明石市)、「年10万円を上限に奨学金返済支援」(東京都足立区)などがあった。

 今年4月時点の62市区町の待機児童数は前年から892人減った。自治体別では東京都世田谷区が1198人と最多。次いで岡山市(729人)、那覇市(559人)。一方、「親が育児休業中」など自治体が集計に含めない「隠れ待機児童」は計2万2410人で、待機児童の約1・6倍だった。

 厚生労働省は昨年4月時点の隠れ待機児童が全国で約6万人に上ると公表している。今回のアンケートには隠れ待機児童は多いが、待機児童が少ないとした横浜市などは含まれていない。

▼隠れ待機児童1.6倍

 共同通信のアンケートでは、国の定義に含まれない「隠れ待機児童」が今年4月時点で62市区町に計2万2410人いた。待機児童数の約1・6倍で、アンケート対象外の自治体を加えれば大幅に増えるのは確実だ。

 厚生労働省は、(1)保護者が育休中(2)特定の保育所のみを希望(3)求職活動を休止中(4)東京都の認証保育所など自治体単独の保育事業を利用-などのケースを待機児童から除外できるとしており、自治体によって判断にばらつきがある。

 今回のアンケートは、昨年4月時点で待機児童が100人以上いると公表した自治体を対象にしているため、横浜市(8人)や名古屋市(0人)は含まれていない。一方で横浜市は待機児童とは別に、「希望通りの保育所等を利用できていない人」が今年4月時点で3117人、名古屋市も585人と発表した。

 昨年4月以降に認可保育所の開設を断念したり、延期したりしたのは8都府県20市区町で計34件だった。

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