■2016年は過去最高、前年の2.4倍

 国立研究開発法人・情報通信研究機構(NICT)は8日までに、国内のネットワークに向けられたサイバー攻撃関連の通信が、2016年は前年比2・4倍の約1281億件と、過去最高になったとの調査結果を明らかにした。発信元の国に関して詳細なデータはないが、中国や米国からが多かった。

 ネットに接続した防犯カメラや家庭用ルーターなどIoT(モノのインターネット)機器を狙った攻撃が急増。15年は全体の約26%だったが、16年は初めて半数を超えた。セキュリティー対策が不十分な製品が多く、サイバー犯罪者の標的になっている。

 NICTはサイバー攻撃の大規模観測システムを運用しているが、観測できているのは一部で「実際の攻撃はさらに多い」とみている。

 調査を始めた05年は約3億1千万件にすぎなかったが、14年は約256億6千万件、15年は約545億1千万件と、ここ数年間の増加が著しい。

 サーバーやパソコンに侵入しようとする攻撃も増えているが、14年ごろからはIoT関連が目立つ。

 サイバー犯罪者は、大量のIoT機器をウイルスに感染させて乗っ取り、そこから企業などのサーバーに一斉にデータを送り付け、サービスを停止させる「DDoS(ディードス)」と呼ばれる攻撃に悪用しているとみられる。

 一方、独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)は8日、サイバー攻撃に対処する人材の育成組織「産業サイバーセキュリティセンター」を4月に新設し、センター長に日立製作所の中西宏明会長が就任すると発表した。アドバイザーには米国家安全保障局(NSA)のアレグザンダー元局長を迎える。【共同】

 =ズーム=

 ■IoT 英語の「InternetofThings」のことで、「モノのインターネット」と訳す。家電や自動車、工場設備などあらゆるモノをインターネットに接続して、便利にしようとする取り組み。世界的な開発競争が起きており、IoTに関連する機器は今後も爆発的な増加が見込まれる。ただ普及に伴い、新たなセキュリティー問題も顕在化している。

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